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新・農業経営者ルポ

非農家出身6年目で73ha、代官山におにぎり屋を開く


2mmで選別したタンパク含量
6%未満のおにぎり

お店の広さは二坪。と言っても場所柄から家賃は安くない。坪5万円で月10万円。保証金は1年分の家賃。店の造作と保証金で約400万円掛かった。場所は代官山駅から歩いて2分程度。周りはお洒落なお店に囲まれている。鈴木が考えてきたおにぎり店舗のイメージにピッタリの宝くじ売り場サイズ。しかし、そんな理想の物件はなかなか見つからず、開店が延び延びになっていた。さらに11月には阪神電鉄深江駅前に2号店を開店させる。場所は神戸の高級住宅地芦屋の隣駅だ。こちらもやはり三坪と狭いが、場所は深江駅の目の前。最高の立地だ。
世の中におにぎり屋は沢山あるが、鈴木のおにぎりには他のどこにもない“売り”がある。コメはあきたこまち。それも2mmのグレーダで選別したもの。しかもタンパク含量も6%未満というこだわりの贅沢おにぎりなのである。あきたこまちを2mmで選別すると歩留まりは3割くらいになってしまう。でも、これは生産者だから可能な原料品質だ。良質米でこんな大粒のコメだけを使うことはコストの点から卸業者や外食業者には真似のできないことだろう。言われてみなければわからないかもしれないが、食感が違う。タンパク含量6%以下のお米に限っていることも、素人にはその意味は解らないかもしれない。でもそれはお客様が証明していくだろう。また、2mmで選別した網下のお米はもう一度選別することで通常の出荷米を取り出せるのだ。ノリは宮城県東松島で天皇陛下献上のノリを作る相沢さんという鈴木と同世代の生産者のものを使っている。
おにぎりはお客さんの顔を見てからその場で握る。1個は150~160g。炊き上がりのごはん1合で二つというビッグサイズである。コンビニおにぎりのサイズは110~120gだ。にもかかわらず、鈴木のおにぎりは1個100円の塩にぎりからこだわりの具を入れた各種のおにぎりが120~180円。一番高い焼きおにぎりでも200円と内容からすればはるかに安い。
お店に尋ねたのは開店3日目という日だったが、すでに2日間のイベント用に2000個という大量注文や、70個というお届け物の注文も受けたという。1日に1000個という数に驚くと、「二人でやれば楽勝ですよ」と鈴木は笑う。鈴木のおにぎりへの取り組みは5年前から始まっている。東京を中心に各地のイベントに出張しておにぎりを握ってきた。だから、この程度のまとまった注文にも驚かない。それ以上に開店早々からの大量注文を喜んでいた。

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