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新・農業経営者ルポ

非農家出身6年目で73ha、代官山におにぎり屋を開く


早朝から夜中までの作業請負は鈴木にとっては稼ぎであると同時に作業経験を積む機会となった。自らの経営耕地以外の作業を受けることで1シーズンで普通の農家よりはるかに多くの作業経験をしたのだ。加藤が加わった後も、さらに規模が10haレベルから30、50haと拡大しスタッフも増えていく過程でも、社員全員で地域の様々な作業を請け負ってきた。それは収入を確保することだけでなくその仕事を通して従業員の農作業の技量を高めることに役立った。それだけでない。社員たちが揃いの作業着を着て暑い最中に草刈りをしている光景は若者の少ない地域の注目を受ける。それを見た人々には鈴木達に地域農業の未来を感じさせる。農業を引退しようと思っている兼業農家には農地を鈴木達に託そうと思いを起こさせるのだ。73haの借地のうち約50haは同じ地域内に集積している。
鈴木が導入してきた農業機械は全て新品で最高仕様の機械を導入している。それもこのようにして働くスタッフのモラルのためにも必要だと考えている。しかも、買うのはすべて最初から鈴木の相談に乗ってきてくれたクボタの営業マンからだ。人にも土にも取る前に戻し、戻せばこそ実りが還ってくるという精神なのだろう。 (文中敬称略)

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