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特集

求む!契約栽培 いまメーカーが欲しがっている加工用作物


一方の全農長野でもJAが仲立ちし需要者と3者契約を結び、その契約をもとに新規の産地、果樹園を新設する。業務加工用対応と果樹振興を同時に行なうという、思い切った事業を展開している。
全農長野が15年度から、業務需要向け対策として、まずリンゴの契約栽培に乗り出すことになった。方式としては、たとえば年間アップルパイを製造する需要者があれば、実需側が求める品種を苗木の段階から契約するものだ。全国でも初めてのケースであるが、確実に原料として入手できると実需側も大歓迎だ。
加工用であれば着色や形、大きさにこだわらない。そこで数量確保のための技術である「高密植わい化栽培」で省力化することにした。慣行の栽培よりかなり密植でわい化、樹をすべて日のあたる方向に固定するなどの独自の技術で多収にして、生鮮品より単価は安くても生産者手取りを確保できる仕組みだ。
通常なら10a当たり10~15本の苗木だが、契約を結ぶ業務用は同約30本を密植。さらに摘果を控えめにし、葉摘みや玉回しもしない。10a当たり収量は6t(通常栽培は3、4t)と多収である。この方式で県内の加工業者とJAが契約。「紅玉」が14年産から初出荷となっている。

【「缶桃5号」用の専作産地養成】

JAフルーツ山梨管内では、缶詰加工用の桃「缶桃(かんとう)5号」の栽培が復活した。生食用に比べて栽培に手間がかからず、労力分散や耕作放棄地対策としても有効だ。「缶桃5号」は果肉が黄色く、不溶質(煮崩れしない肉質)で、弾力性があるのが特徴。現在、8人が約73a栽培する。県内では1965年ごろに普及したが、多くが生食用品種に移行したことから一時、栽培が途絶えたものの、8年前から復活した。今年も7月28日から出荷を始めた。
出荷に向け、JAでは摘果検討会を開き、生産者に摘果の時期や程度などを説明。できるかぎり着果を多くするよう指導した。
JAは今後も、県と栽培技術の検討を続け、収量を2倍に増やすことや、薬剤の散布回数を減らし、コスト削減を目指すことにしている。

【「青摘みミカン園地」を設け加工専用に】

静岡県浜松市北区三ケ日町のミカン農家有志と東京農工大学、JAみっかびが連携し、市内で「加工専用の温州ミカン園」の造成が始まった。ミカンの持つ機能性成分に着目し、ミカンが青いうちに収穫するため。青摘みミカンは、豊富な機能性成分が注目されている一方、栽培期間が短いうえに手間がかからず労力不足の高齢農家も取り組みやすい。リンゴやブドウでは、省力的な加工専用園の経営が注目される流れのなか、温州ミカンでも加工専用園のビジネスモデルを構築する。

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