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特集

求む!契約栽培 いまメーカーが欲しがっている加工用作物


生薬は、植物・動物の薬用とする部分を乾燥したものや鉱物等であり、漢方薬の原料となる生薬の多くは薬用作物から作られる。何種類かの生薬を漢方で定められた比率で配合すると、漢方薬として効能がある薬が生まれる。たとえば青汁に使用されるケールや大麦若葉などは野菜に分類されるので、ここで話す生薬からは除かれる。
薬局で自由に買うことができる漢方薬は一般用漢方製剤、医師の処方が必要なものは医療用漢方製剤と呼ばれる。生薬がたくさん使われているのはじつは医療用漢方製剤のほうで全体の9割を占める。
漢方薬の需要が増えていく一方で、生薬の継続的な安定調達が課題となっている。日漢協が会員の漢方薬・生薬製剤のメーカーを対象に行なった調査によると、2012年度の生薬の調達先は、中国が約80%、日本が約12%、その他の国の合計が約8%であった。

【主要調達先・中国産の価格高騰が背景に】

近年、調達先として頼ってきた中国産の価格が高騰し、06年度の指数を100とした場合、14年度は244と2倍以上に高騰している。なかには5倍以上の値がついた生薬もある。
その理由は、加工にかかる人件費の高騰に加え、中国国内での需要が高まっている反面、農業離れや天災や気候変動による不作など、複数の要因が重なっていると推測される。
ならば中国で生産されているものを日本で代わりに生産しようと考えたくなるが、それでは安定調達の課題が解決しないという。同じ種でつくっても、産地を移動すると土壌や気候が異なるため、生薬にとっていちばん重要な品質が変わってしまう可能性もある。また不作による生産量の変動は日本にもあるため、漢方薬・生薬製剤のメーカーのリスクヘッジのためには、中国と日本、その他の国に産地が分散されていることが望ましいという。
つまり中国で増やさなければいけない生薬もあるし、日本で増やさなければならないもの、その他の国で増やさなければならないものがある。
生薬にチャレンジするなら、実績のあるもののなかから各メーカーと相談して何をどのぐらい生産するか決めるほうがハードルは低い。

【メーカーと生産者二人三脚の契約栽培】

生薬は、メーカーと生産者が1対1で試験栽培から契約栽培までがっちりと手を組んで取り組むほかない。その理由は、医薬品であるがゆえの厳しい条件からくる。
一つめは、品質が規格に達していないと使うことができないということだ。生薬の品質は日本薬局方で定められている規格に達している必要がある。たとえば、最も大量に使用されている甘草(カンゾウ)は、日本薬局方ではグリチルリチン酸が2・0%以上と定められている。ある地域での成功例を参考に、同じように生産しようとすると失敗することがある。ほかの作物でも同じことだが、土壌や気候が異なれば、たとえ育ったとしても品質は異なってくる。品質が基準に達しなければ漢方薬には使うことができない。またいびつな形をしていると、煎じたり切砕したりするなどの加工時に品質が変わってしまうことから形状が重視されるものもある。

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