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特集

求む!契約栽培 いまメーカーが欲しがっている加工用作物


二つめは、各メーカーによってさらに求める品質が多少異なるという点だ。そのメーカーがつくる漢方薬に合った品質でなければならない。逆に、あるメーカーのために生産した生薬がたくさんできても、ほかのメーカーには合わないということもありうる。
三つめは、ほかの作物に比べてまだまだ生産技術が確立されていないという点だ。中国から種子や苗を調達するのが難しいという事情もある。各都道府県の農業技術普及員の育成が進められているが、まだ指導者不足は否めない。いまのところ、メーカーが研究機関と協力して得た研究結果と、生産者の栽培技術や知識を合わせて試験栽培から始め、成功したら契約栽培へと移っていく。
試験栽培は最低3年、長ければ10年かかるときもある。その間、その圃場では収入がないということになる。使用可能な農薬も少ないため、栽培管理を人海戦術に頼らざるを得ない生薬もあるという。試験栽培から契約栽培に至るまで、まさにメーカーと生産者は二人三脚だ。
また食用作物と異なり、どんなに優れた品質のものができても価値が高まるわけではない。たとえば甘草はグリチルリチン酸が2.0%以上と述べたが、それがたとえば5%超のものができてもメーカーの求める品質の上限を超えていたら漢方製剤の原料として使用できない場合もあるので、医薬品以外の用途を考えなければならない。
規格に入る品質のものを、いかに低コストで安定的につくりつづけることができるか。条件は厳しい。

【生産者とメーカーのマッチングが進行中】

それでもチャレンジしようという生産者を対象に、メーカーとのマッチングの場が設けられている。
日漢協は13年から、生産者を対象に生薬の現状と方針などについて説明会を農林水産省と厚生労働省の指導のもと、共同で開催してきた。これは、農政局のブロックごとに全国8カ所で実施した。その説明を聞いたうえで、生産者から生薬をつくってみたいという要望書を提出してもらい、メーカーとのマッチングをするという仕組みだ。その結果、全国約30カ所で試験栽培が始まった。まだほとんど契約栽培まで至っていないが継続している。
今年からは、日漢協と一般社団法人全国農業改良普及支援協会が設置した「薬用作物産地支援協議会」が、農林水産省支援事業の一環として地域相談会を主催している。以前よりもさらに踏み込んで、事前に生産者から質問を受け、生産者との個別相談会も実施している。メーカー側とのマッチングができれば、その後は生産者とメーカーとが個別に条件を話し合い、試験栽培へと進むという仕組みだ。

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