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実践講座:したたかな農業を目指す会計学 続・入るを計り出を制す!

第二十三章 投資の心構え(4)減価償却と負債償還計画のバランス


実際の経営では信用力、担保力が備わってこそ、お金が借られるため、元手を多く持っている人には、借金もより多くできるというわけだ。

減価償却台帳と償還計画
から投資を考える

ところで、皆さんは減価償却台帳の存在をご存じだろうか。減価償却資産について、取得額や残存価格、耐用年数、償却額などの項目を並べて作物別に整理したものである。減価償却資産台帳を簿記ソフトの様式のまま、税務対策の整理票と決めつけていると、あまり眺めることをしない。各々が工夫して、作物別に分けるなど整理することで、投資計画に役立つ情報になる。減価償却資産台帳の記録は今後の投資に多くのヒントを与えてくれると心得ておきたい。
では、具体的な減価償却費に着目した投資分析のポイントに話を進めていこう。これまでにも取り上げてきた30ha規模の農場を事例に、減価償却台帳のほか、貸借対照表と損益計算書、負債の償還台帳を用意した(図2)。なお、ここでは負債で投資が行なわれることを前提にする。
投資分析のポイントは3つある。まずポイント1に、単年度の収支状態と投資の可否を挙げる。単年度の収支に四苦八苦しているようでは、前向きな投資はできない。仮にその状態で金融機関の審査がOKを出したとしたら、お金の貸し手の判断が甘いだけである。後悔しないためにも当期純利益と減価償却費を足した額をキャッシュ・フローとして、当年の負債の返済額と比べてみよう。
もし返済額がキャッシュ・フローを上回る場合は資金不足だ。同額か返済額のほうが下回る場合に原資を確保できる。単年度でも資金収支が整わない場合は、新たな投資よりも利益確保を優先すべきである。資金投資は伸るか反るかでは行なわないのが大原則と肝に銘じておこう。
ポイントの2つ目は、次の投資の頃合いを見極めることである。まず負債償還台帳から、負債残高を整理し、売上高が現在と同じく推移すると仮定し、売上高負債率の変化を計算してみよう。
この農場では、現在の負債残高が4300万円と大きく、売上高負債率は目安の100%を超えている。来年以降の推移を眺めると、返済額は峠を越えて3年後には負債残高が半分に減るようだ。負債残高が1900万円となる4年後に投資チャンスが来ると判断することができる。折りしも前年までに近代化資金の返済も終わり(図2・負債の償還台帳)、単年度の負債残高も下がる。返済原資が増えることも、投資を後押しできる良い材料であろう。

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