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トウモロコシのはなし

流通や肉牛生産・販売の立場から国産子実トウモロコシをどう考えるか


それから、主要生産国の米国等がどんなに好天だろうが荒れていようが、飼料のうちの1%か2%でも国産で確保していくという覚悟を国が決めなくてはいけません。飼料自給率の向上を国策として謳っているのであれば、子実トウモロコシもそこに含まれてしかるべきです。

国産トウモロコシの
本格的な利用は量の問題

――山本さんもご自身の肉牛に国産子実トウモロコシを給与しようとして断念されたことがあるそうですね。
山本 そうなんです。数年前に秋田県農業法人協会に頼まれて講演を行なったときに、高原比内地鶏というブランドを手がけている養鶏家の(有)秋田高原フードの大塚智子さんから「私たちこれから、国内産子実トウモロコシを飼料として使うんです」という話を聞きました。南秋田郡大潟村で子実トウモロコシ栽培に取り組んでいる方を紹介してもらい、「自分も短角牛を飼っているんですが、3tほど分けてもらえませんか」とお願いしたところ快諾してくれました。すぐに岩手県二戸市の預託農家に経緯を話して相談したら「ぜひともやりましょう!」という話になりました。
しかし数日後に「飼料会社から『たった3tで、しかも一気に使うならいいけど通年でしょう。そんなことは対応しがたい』と言われてしまった」と、しょんぼりした様子で電話をかけてきました。
考えてみれば当然のことです。肉牛は1日に濃厚飼料を5~6kg食べますが、そのうち半分がトウモロコシです。仮に150頭の肥育牛を飼養している農家で全量を国産子実トウモロコシに変更すると、2.5kg×365日×150頭で年間およそ136tのトウモロコシを確保しなければならない計算になります。3tがいかに少ない量なのかが分かります。おそらくその飼料会社だけではなくて、どの会社に言っても同じで、ロットとして「100tにもならないの?」ということになるでしょう。
――畜産での本格的な利用を考慮すると、量の問題になりますね。
山本 いまは生産者を特定できるくらいしか生産量が少ないということですよね。子実トウモロコシのユーザーとしては早く心置きなく使えるようになってほしいです。そのためにはやはり国策としてのバックアップがほしいですね。
トウモロコシを給与するといっても、実際には破砕するだけではなくて圧ぺん処理や加熱処理など、成育段階によって加工を施さなければなりません。そうなると、飼料会社が関与しないと、飼料化は無理だと思うんですよね。そこのサポートがないと畜産飼料としての子実トウモロコシはごく限られた取り組みになってしまうでしょう。現段階ではいくつかうまくいっている事例があるようですが、今後はもっと飼料会社が動いてくれるよう働きかけていってもらいたいですね。飼料会社であれば保管などの問題もクリアできるでしょうから。

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