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トマトの「ソバージュ栽培(R)」

東日本大震災の復興支援として


その改良法を実際の生産現場で試したところ、収量向上と作業改善につながる結果が得られ、女性作業者からも好評であった。この改良法では、栽培終了後の片付け作業時間は長かったものの、圃場準備や収穫作業時間が短縮する結果であったことから、実際の栽培では作業効率に優れるものと考える。
また、誘引の高さが低くなるため、主枝摘心後に発生する側枝などは適宜除去する必要があるが、刈り込みなどを用いて誘引の高さを超える枝を一律に刈り込むだけで、月2回、10a当たり2日の作業量で済むため、デメリットにはならないと考えている。

3 作型分化による
労働力平準化

ミニトマトの露地夏秋どり栽培では、定植時期を最低気温が18℃を超える時期(岩手県では5月下旬~6月上旬)を目安に設定するが、ソバージュは放任管理で花数を制限しないため収穫が8月に集中しやすい。この時期はミニトマトの単価が低迷しやすい時期であることや、本プロジェクトの現地実証圃場では栽培面積を増やすと家族労働だけでは収穫が間に合わない事態となったため、作型分化により労働力の平準化を図る必要が出てきた。5月下旬と6月下旬の作型を、栽培面積で1:2の割合で設定すると、単収は低くなるものの高単価の9月以降の収量を増やすことができ(図3)、労働生産性が高まることから、現在、現地実証圃場で検証中である。

4 被災農地での課題
土壌改善に向けて

被災農地における現地実証栽培では、土壌の排水不良と雑草対策が大きな課題となった。復旧農地は大型重機を使って整地されており、肥沃な表土が流失した浸漬土壌では、団粒構造が破壊されたことにより耕盤が形成され、暗きょ排水が十分機能せずに降雨が続くと、水田のような状態となることもしばしばあった。
そのため、暗きょを再整備し、毎年、サブソイラによる耕盤破砕を行ない、土壌改良を続けている。さらに、作土が20cmに満たず浅いことにより支柱の挿入深さも浅くなり、強風により倒壊しやすくなるため、梁方向に支柱を追加するなど補強が必要であった。
被災農地では、耕盤形成や復旧工事による震災以前の土層・土性に変化が生じるため、有機物を十分に施し、物理性と化学性の両方を改善し、排水が十分機能する土壌へ回復する必要があると痛感している。

5 岩手県における
現状と今後の展望

本プロジェクトでソバージュに取り組んでいる生産者は、収量はやや少ないものの、十分な所得が見込める結果が得られている(図4)。現地実証圃場における適品種は「ロッソナポリタン」(パイオニアエコサイエンス(株))である。この品種は、果形がプラム形のヘタ無し果実で、露地栽培でも高品質な果実が生産できることや、良食味で日持ち性に優れ、生食にも加工用途にも対応できる特性を有する。その品種特性を活かすため、生産現場では生食出荷だけでなくジュース加工も行なっており、繁忙期の収穫労力の軽減と収益性の向上につなげている。

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