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今年の市場相場を読む

地域特産野菜の生産状況と流通 カイワレ、トウガラシ、サヤエンドウ、非結球レタス

農水省がまとめた「2014年産・地域特産野菜生産状況調査」(隔年調査、40品目・42種類)によると、前回に比べ全品目数の3分の2で作付面積および収穫量が減少。一方でズッキーニやスナップエンドウは一貫して伸び、非結球レタスは近年連続して大幅増、カイワレダイコン・マッシュルーム・ワサビダイコンなども再び増加基調に。こうした調査結果と、東京市場における過去10年の推移とを比較してみよう。2年間で2.2倍にもなったワサビダイコンはヤーコンやヤマノイモなどと一緒に「その他土物」になっていて、入荷量がつかめない。この2年間で伸びた地域野菜から選んでみる。

カイワレ
近年新商品として回復、食中毒事件すでに影響なし

【概況】
地域特産野菜調査でカイワレは、2012年と14年の対比で67%伸び、1位のレホール(ワサビダイコン)に次いで2位。一方、東京市場の05年対15年では46%の大幅減である。単価は4割近く高い。明らかに衰退品目に見える。東京市場の15年の入荷量は804t、しかし全国的な地域特産野菜としての生産量は14年レベルで4731tある。中央では需要が回復していないが、地域内では人気上昇気味だ。
【背景】
カイワレは、単価も安く使い勝手がいい。その彩りのよさ、ピリッとした食味、シャキっとする歯ごたえ。いまブームの豆苗に比べると、加熱しないで済むなど、利便性はもともと高い。そのため、20年以上も前に発生した「カイワレ食中毒事件」(結局は冤罪だった)は忘れられ、若年層には新商品のような新鮮さがあるようだ。東京市場においても、かつての数量は無理でも、今後は再生する方向にいくと思う。地方からの需要も増えてくるのだから。
【今後の対応】
食中毒は、食べ物に菌が付着してタンパク質が腐敗し拡散するケースで発生する。しかし野菜や果物そのものが菌を発生させることはない。ところが米国の場合、野菜・果物由来の食中毒と判断されたケースが1万件を超える。サルモネラ菌や大腸菌O-157などの食中毒菌は、収穫から流通の間に、主に人の手を媒介して汚染されるという。日本人は「きれい好き」だし日本の生鮮食品に対する扱いは丁寧だ。カイワレはもう安心・安全食品である。

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