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トマトの「ソバージュ栽培(R)」

全国各地への広がり


2 北海道発トマト加工品

広い大地の北海道は、積雪により春が遅く、秋も早い。そのため、北海道における露地夏秋どり栽培のソバージュは、収穫適期が8月上旬~9月末ごろまでの約2カ月間の短期決戦となり(10)(11)、ハウス栽培のトマトに比べて青果物の長期安定出荷は望めない。
ところが、「シシリアンルージュ」の美肌トマト鍋のおいしさを知り、その虜になってしまった生産者たちは、「ソバージュトマトのおいしさをもっとたくさんの消費者に知ってもらいたい」「地元でさらにソバージュの生産を広げたい」「トマトのない冬にも、ソバージュトマトのおいしさを消費者に届けたい」といった思いから、ソバージュのトマト加工品を使った周年供給への新たな取り組みを始めた。
その試みとして、北海道産ソバージュトマトを使った青果物そのものの冷凍トマト(13)やトマトジュース(14)、ドライトマト(15)、セミドライトマト(16)、ピューレにしたトマト飲料や調理用ソース(12)などのトマト加工品が次々に生み出されていった。
北海道産ソバージュトマトを使ったジュース加工や冷凍保存、ドライトマトなどは、すでに数軒の生産者が取り組んでおり、その販売も順調に伸びている。北海道の真夏の太陽の光を十分に浴びた、旨みと栄養分がいっぱい詰まったソバージュトマトを使うことにより、おいしいトマト加工品ができあがり、いずれの加工品も人気を博している。生食だけでなく、トマト加工にも取り組むことにより、ソバージュで問題となっている収穫や出荷調製作業が軽減され、腐敗果やはね品などの出荷ロスが減って商品率が上がり、生産者の収益の向上に大いに貢献している。
また、ソバージュの生食用としての販売に加え、もう一つの目玉として、北海道産ソバージュトマトを使った加工品を販売することにより、夏場の出荷期以外の冬場にも販売でき、安定した収入が得られるようになった。
年間を通じたトマト加工品の販売は、北海道産ソバージュトマトの認知度の向上にも一役買っている(17)(18)。北海道では今後、ソバージュの作付けをさらに拡大させ、生産コストを下げることにより、消費者がソバージュトマトを購入しやすい価格に設定できれば、「シシリアンルージュ」をはじめとする美肌トマト3姉妹(ほかの品種は「ロッソナポリタン」と「サンマルツァーノリゼルバ」、いずれもパイオニアエコサイエンス)の消費拡大につながるものと考える。それに伴い、北海道におけるソバージュのさらなる面積拡大へとつながる好循環が期待できる。

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