記事閲覧
【今年の市場相場を読む】
福島産野菜この5年震災前と現在 アスパラガス、ブロッコリー、ピーマン、キュウリ
- 第243回 2016年12月02日
- この記事をPDFで読む
アスパラガス
35%も減って地位転落、求められる夏場の大型産地
【概況】
福島産のアスパラの東京市場への入荷量は、震災前の10年と5年後の15年を対比すると、数量で37%もの減少となっているが、単価は9%高くなっただけ。東京市場全体では数量減は12%にとどまり、単価は3割も高くなった。明らかに福島産の地位転落といえる現象だ。10年は、年明けからピークに入るメキシコがトップ産地で、春にピーク、秋まである佐賀産が2位。しかし夏秋産地では断然、福島が1位だったのだ。
【背景】
後述のキュウリを例外として福島産野菜は入荷数量が減り、それ以上に単価も他産地より安い。実際に東京市場のアスパラの入荷量は1割強の減少で3割高。対して福島産は、4割近く減っても1割も高くなっていない。これを「福島はまだ風評被害を被っている」と見ている。しかし風評そのものは関東地区では明らかに鎮静化した。したがって福島産の安値は急激な入荷減で、夏秋期に急成長した栃木・山形などに地位を奪われたということだ。
【今後の対応】
これまで福島県は、夏秋野菜の主産地として、全農や各JAが市場での主導権を握り、相場を作ってきた。だから多くの品目で産地希望価格を実現することができていた。JAの販売戦略も、拠点市場など指定市場への出荷を重要視して、相場が安くても指定市場への出荷を守っていたことも、福島産を「買い支える」意識を生んでいた。夏秋期に数量を持った大型アスパラ産地が望まれている。福島県中央通りから会津にかけて、産地拡大が待たれる。
会員の方はここからログイン
ランキング
WHAT'S NEW
- 有料会員申し込み受付終了のお知らせ
- (2024/03/05)
- 夏期休業期間のお知らせ
- (2023/07/26)
- 年末年始休業のお知らせ
- (2022/12/23)
- 夏期休業期間のお知らせ
- (2022/07/28)
- 夏期休業期間のお知らせ
- (2021/08/10)