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イベントレポート

農業機械のカスタマイズ承ります/『農業経営者』読者の会セミナー

10月19日、第83回『農業経営者』読者の会セミナーを東京都内で開催した。講師は、群馬県で農業機械の特注部品製作や修理、改造を請け負っている(株)ロブストス代表取締役社長の高垣達郎氏である。高垣氏は2011年のA-1グランプリにおいて「農業機械のカスタマイズ計画」というテーマでグランプリを受賞した(有)ユニーク工業・羽廣保志氏の仕事を受け継いでいる。
「こういうことが商売になるのかと思うようなところにこそ、人々のニーズが存在する。農業に限らず新事業開発を考えるうえでも、そのニーズを汲み取ることが大事だ」(本誌編集長・昆吉則)

単品・短納期・
ワンストップ

高垣氏は冒頭で、ロブストスが手がけたある仕事を見せた。堆肥散布機のマニュアスプレッダーの部品の一つで、堆肥を均一に散布するためのビーターである。持ち込まれたビーターはすっかり腐食してしまっているため、全取り替えが必要であった。所有者によると、メーカーに発注したところ納品までに50日間かかると回答されたという。それをロブストスは部品在庫などないにもかかわらず、わずか8日間で製作した。
なぜ短期間で生産できたのか。その仕組みはこうである。
まず高垣氏が部品を見て、どのような工程でつくるか瞬時に決める。必要な鋼材をすぐに手配し、材料屋に届けてもらう間に自ら図面を描き、部品図と組立図をつくる。製作にかかわったのはロブストスを入れて6社である。図面をもとに、材料屋、長尺パイプを加工する旋盤屋、両端のシャフトを加工する旋盤屋、パイプとシャフトを組み立てる溶接屋、レーザー加工機とベンダー加工機で羽を加工して溶接する板金屋とが、同時並行的流れ作業で完成させた。
現在、ロブストスとネットワークを組んでいる機械加工屋は約100社に及ぶ。このネットワークの最大の特徴は、加工の種類ごとに複数の専門業者が存在するということだ。町工場はそれぞれに設備や職人が違い、得意不得意も加工条件も当然異なる。ロブストスはそれらを把握し、相談案件に応じて条件の合う工場を選定、スケジュールが合わないときは別の工場に依頼する。

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