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イベントレポート

農業機械のカスタマイズ承ります/『農業経営者』読者の会セミナー


つまり、依頼内容に応じて最適と考える工場が連携し、生産ラインを成すという仕組みだ。各地に散らばる協力工場にロブストスが適切に発注することで納期や加工内容に制限がかからない。高垣氏は、この点が地域の鉄工所と決定的に異なるという。
顧客にとっては、ロブストスに頼めば難しいと思われる部品でも形にすることができ、短期間で欲しい部品が手に入る。
「現場の要望は、短納期であることと、あらゆるニーズをワンストップで解決するという2点です。ロブストスを現場に呼びさえすれば、数日後には部品を仕上げて持ってくる。純正部品と同等かそれ以上の品質というおまけ付きで。ロブストスはそういう仕事を積み上げてきました」
農機は新型に更新したほうが良いというタイミングがある。高垣氏は、古い農機をずっと使い続けることを盲目的に推奨しているのではなく、地域のディーラーが対応できない部品を請け負うというスタンスだ。したがって、ロブストスが農業者から直接発注を受けるのではなく、両者の間に、継続的にメンテナンスができる地域の農機ディーラーに入ってもらうことを条件としている。農業生産法人などから直接依頼を受ける場合もあるが、法人内に整備担当者がいることを必須にしている。
会場からは、価格について質問があった。高垣氏は、スピードを重視するため見積書の作成に時間をかけるよりも、受注時に概算を伝えること、価格は各業者の費用の積み上げで決まること、相談があれば加工屋と調整することなどを説明した。また、メーカーとの競争ではないので格安にするわけではないと話した。
「農機メーカーは機械を進化させるための開発をし、大きなニーズをつかんで量産しなければなりません。一方で、農業現場ではイレギュラーな要望もあります。どちらが良い悪いという話ではなく、役割分担が重要です。ロブストスが各地の加工屋さんたちと共にそれに応える体制を整えることによって、農業界をバックアップしたいと思います」

町工場の技術を
農業界に活かす

高垣氏は東京都大田区で育った。高垣氏がこのビジネスを始めた原点は大田区の町工場にあった。大田区といえば日本製造業のメッカとも言われ、中小の金属加工の町工場が多いことで有名だ。
「いまから7、8年前、町工場を見て回りました。不況になると『苦しい』というコメントとともに、大田区の町工場は3Kの象徴のように報道されます。しかし、実際にものづくりの現場を見ると、まるであらゆる金属加工の商品が生まれるマジックのようでした」

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