ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

編集長インタビュー

我々と一緒に加工用馬鈴薯を作って儲けましょう/カルビーポテト(株) 代表取締役社長 中村一浩

近年のカルビー(株)の業績は目覚ましいものがある。2009年3月期以降、7期連続で売り上げ・利益ともに最高を更新している。その屋台骨を原料調達で支えるのがカルビーポテト(株)だ。国産馬鈴薯の調達量は全国で27万tに達し(15年実績)、国内の全生産量の1割を超える。16年6月には中村一浩社長が誕生し、従来の同社には見られなかったような方針を次々と打ち出している。そのなかの一つであり、最も重要な契約栽培の拡大について本誌読者に呼びかける。 文・写真/永井佳史

創業理念である
農工一体の精神を大切に

昆吉則(本誌編集長)私は、カルビーグループとの長い付き合いのなかで、カルビーやカルビーポテトほど日本農業に果たした役割の大きい会社はないと思っています。農業団体以上ではないでしょうか。グループでもカルビーではなく、カルビーポテトこそがその中心だと見ています。
2016年6月、カルビーポテトの社長に中村さんが就任しました。創業理念に原点回帰すると内外に向けて発信していますが、その点から聞かせてください。
中村一浩(カルビーポテト(株)代表取締役社長)カルビーポテトは、カルビーの創業者である松尾孝が1980年に作った会社です。カルビーの原料部門が分離・独立して誕生しました。
カルビーは、未利用資源の有効活用と生涯一人一研究という二つのDNAを持っています。我々カルビーポテトは、そこに農工一体の精神を付加し、農業と工業とが手を取り合って一緒に豊かな未来を築いていくんだということを植え付けて発足しました。当社のコーポレートアイデンティティーもそれを表しています。
会社が始まったころはそういうお話をしていましたが、30年も経ちますと改めてそのことを口にする機会が少なくなっていました。今回の社長就任にあたってまずはそれを前面に出し、すばらしい馬鈴薯を調達していくんだという気持ちでいっぱいです。いま、「調達」と発言しましたが、我々は調達と購買の二つの言葉を明確に使い分けています。購買はできたものを買ってくる。それに対して、調達は一緒になって必要なものを作り上げていく共同作業だと認識しています。農工一体の精神とはこういったことを指します。ここが我々の出発点ですから、大切にしたいですし、忘れてはいけません。
これまでの30数年を振り返りますと、栽培技術や新品種、貯蔵技術とさまざまなものを取り入れてきた経緯があります。契約生産者のみなさんにそれらを使ってより高収量で省力化できる馬鈴薯の生産に取り組んでいただきました。もちろん、これからも続けていきますが、それだけにとどまらず、もっと広い方々に我々の事業に参画していただきたいと考えています。フィールドマンを通したサポートで新しい生産者のみなさんにもいろんな提案を行ないます。馬鈴薯づくりが魅力的で経営に役立てていただけるよう支援は惜しみません。最終的には生産者自身が強くたくましくなっていただくことを願っています。

関連記事

powered by weblio