ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

編集長インタビュー

我々と一緒に加工用馬鈴薯を作って儲けましょう/カルビーポテト(株) 代表取締役社長 中村一浩


中村 作業体系もそうです。佐賀県の水田地帯で契約栽培を行なうグループでは、北海道と同じように収穫時期はとにかく掘り上げることに専念しています。通常はポテトハーベスターの機上で選別しますが、それでは畑での作業時間が長くなってしまいます。梅雨入りしたら作業が停滞しますし、疫病などの発生リスクも高まります。そうしたなかで実施している作業体系で、倉庫に運んだ馬鈴薯を我々に出荷する前に集中的に選別しています。これなら選別員も環境のいいなかで働いて効率的ですし、トータルコストを考えた場合もこちらのほうが安いですので収益性も向上します。こういった成功モデルがいくつかあります。なかなかご理解していただけなかったり、従来の技術を変更するのは難しいですが、視察や体験を通して普及を早めたいと考えています。

若い世代に期待

中村 作付品目を検討するにあたり、「親父(周囲の生産者)がやっているから」という理由で判断せず、何が最適なのかを考えて選択していただければ幸いです。若い方たちには期待しています。
昆 団塊の世代より少し下の人たちは否応なく消えていってしまうでしょう。「やっと自分たちの時代が来た」と思っている若い人も多いと思います。そういう人たちがこれからやってくれるはずです。ちなみに、九州から北海道まで地域を問わず、契約生産者や産地を増やしていきたいのでしょうか。
中村 取引したことのない地域でもどんどん募りたいです。いまは馬鈴薯に特化していますが、将来的には他作物にも挑戦したいという思いがあります。
昆 馬鈴薯を生産するためにも適正な輪作は必要です。「馬鈴薯を作ってください」というだけではなく、産地や契約生産者とフィールドマンとが話しながら目指すべき未来を創造していくのが望ましいですね。
中村 次世代に継続できる基盤はしっかり作りたいです。収奪的であってはいけません。畑のメンテナンスをしながら次の世代にバトンを渡す。そういうかたちであれば日本農業の未来は明るいのではないかと思います。

長期的な視点で契約関係を
築けるところは他にない

昆 日本ではどの作物も自己完結型が多く、機械を一式そろえています。そんななか、かつて貴社の契約栽培で作業時期の異なる岐阜県や千葉県、福井県の農業者がポテトハーベスターを共同利用する経営実験を行なったことがありました。地域のなかだけではない有効活用の事例です。新規産地や生産者になりますと、いきなりポテトハーベスターを購入するのはハードルが高いと思いますが、それに対してはどんな支援ができるのでしょうか。

関連記事

powered by weblio