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最近では多くの土壌診断室で微量要素の分析もできるようになった。とてもよいことだが、ホウ素以外の微量要素は分析方法が統一されていないことが今後の課題である。水田土壌には従来から用いられてきた0・1モル/リットル塩酸抽出法でよいと思われるが、園芸土壌のなかでもとくにpHが高い土は塩酸が中和されてしまうため過小評価されることがあるので注意を要する。水稲はホウ素の要求性が低いので、水田土壌にはホウ素の分析は不要である。
4.土壌診断スコップと
分析キット
栽培期間中の分析には写真3のような土壌診断スコップを勧めたい。作土に差し込んで一回転すれば、正しく土を採ることができる。これを使い出すと簡単に土壌試料が採取できるので、正直なところ穴掘りが億劫になってしまう。しかし、あくまで「穴掘りが土壌診断の基本」であることだけは忘れないでほしい。
簡易分析機器はさまざまあるが、最も簡単・迅速なものに農大式簡易土壌診断キット「みどりくん」(写真4)がある。「みどりくんN」では硝酸態窒素のついでにpHも測定できる。試験紙の色を標準カラーチャートと見比べる方式だが、慣れると試験紙のピンク色を見ただけで作土中に残留する硝酸態窒素量を知ることができ、窒素追肥の判断に役立つ。
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後藤逸男 ゴトウイツオ
東京農業大学 名誉教授
全国土の会 会長
1950年生まれ。東京農業大学大学院修士課程を修了後、同大学の助手を経て95年より教授に就任し、2015年3月まで教鞭を執る。土壌学および肥料学を専門分野とし、農業生産現場に密着した実践的土壌学を目指す。89年に農家のための土と肥料の研究会「全国土の会」を立ち上げ、野菜・花き生産地の土壌診断と施肥改善対策の普及に尽力し続けている。現在は東京農業大学名誉教授、 全国土の会会長。
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