ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

実践講座:したたかな農業を目指す会計学 続・入るを計り出を制す!

農地と投資とコストの話(1)農地取り引きの基礎知識


しかし、この制度が実際に動いているのか疑問視する声も少なくない。日本は農地も少ないから不動産物件としての土地の価値は高く、所有者は執着に近い愛着を持っている。土地は縁もので、売り手と買い手の利害が一致し、直接売買の話ができないと農地は決して移動しないのだから――。
【農業公社・農業支援センター等】
都道府県ごとに設置され、呼び名や事業内容は都道府県によって多少異なる。多くは各都道府県と農業団体などが設立した第三セクターである。経営規模拡大や生産性向上に資する各種事業を総合的に実施することを事業目的に掲げ、担い手や農地に関する支援・相談業務を総括している。農地中間管理機構の指定を受けて農地バンクの運営を担っている。
【農業会議・全国農業会議所】 農業会議は市町村の農業委員会の上部的団体のこと。全国の上層部的な組織が全国農業会議所である。国と農業団体によって設立され、16年には一般社団法人全国農業会議所として改変された。農地に関する情報収集と提供を行ない、農業法人、新規就農の相談・支援・育成を手がける。「全国農地ナビ」を管理・運営し、一方で農地の施策に対して具体的な提案を政府に行なうことができる。
【全国農地ナビ】 農地情報公開システムのこと。市町村や農業委員会が整備している農地台帳および農地に関する地図について、全国農業会議所が公表事務にかかる委託契約を結んだ上で、インターネット上で農地法に基づき情報を公表している。この制作には膨大な予算が投じられたと聞いている。アクセスしてみると、このマップシステムが優れものであると感心する。欲をいえば、税金を投じて作られているのだから、上空図などは農業経営者が汎用的に利用できるようお願いしたい。

このほかに、農地に関連する通達、法令、所管する外郭団体は多数あって、用語解説に取り上げると切りがない。改めて勉強してみたが、参考となるより、その多さに圧倒される。農地取引に関わる「関係者」も多く、農地問題をより複雑にしているように思えてならない。農地に一定の縛りを設けることは納得できるが、その指導業務を行なう外郭団体を増やしたところでその課題解決を促せるとは考えにくい。
新年号から与太話が多くて、農地への投資に関わる会計学に至らなかった点はご容赦願いたい。

関連記事

powered by weblio