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【イベントレポート】
トランプ大統領当選の背景とこれからの農業問題/『農業経営者』定例セミナー
- 作家・翻訳家 田中真知
- 2017年01月05日
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2016年12月2日に開催された浅川氏によるセミナーは、こうした疑問に応えるとともに、トランプについて一般にいわれているイメージをくつがえすものでもあった。
トランプはその過激な発言から「暴言王」と呼ばれ、政治家としての資質を疑問視する声はいまだに多い。しかし、浅川氏は開口一番、トランプは「知性のかたまり」だといった。
「知性と暴言とは反対に聞こえるかもしれないが、本来の知性とは、人間の感情をすくいあげたり、ゆさぶったり、抽象化したり、ビジュアル化したりして、人を動かすことができる力」だと浅川氏はいう。そうした人心を掌握するトランプの能力については浅川氏の著書『ドナルド・トランプ 黒の説得術』(東京堂出版)をぜひお読みいただきたい。
メディアは神が創造した
浅川氏とは逆に、どうしてメディアはトランプ当選を予想できなかったのか。その理由を一言でいえば、方法論があったかないか。浅川氏にいわせれば、日本のメディアは米国メディアの劣化コピーにすぎない。その米国メディアにしても中立な存在ではない。
メディアは、自分たちの偏見や先入観や願望を候補者に投影し、その先入観にあてはまりそうな世論調査の数値を引っ張り出して権威づける。そこに事実に基づいた分析は存在しない。だから、今回のように自分たちの予想が実際の選挙結果とちがった場合、論理的な説明ができない。こうしたメディアの本質を見抜いていたトランプは「メディアは神が創造したもっとも不誠実な存在である」と述べているほどだ。そうやってほとんどのメディアを敵に回しながらも、トランプは勝利した。
では、浅川氏はどのようにしてトランプ勝利を確信したのか。彼はまず仮説を立てた。それは「現在の多くの米国人の潜在意識では、オバマ政治の存続阻止を願っているのではないか」というものだった。その検証にあたって注目したのは、候補者自身の発言と、それに対する有権者の反応である。候補者の発言とは、ホームページやSNS、演説や討論会など。有権者の反応とは、同じくSNSやブログなどである。
トランプはその過激な発言から「暴言王」と呼ばれ、政治家としての資質を疑問視する声はいまだに多い。しかし、浅川氏は開口一番、トランプは「知性のかたまり」だといった。
「知性と暴言とは反対に聞こえるかもしれないが、本来の知性とは、人間の感情をすくいあげたり、ゆさぶったり、抽象化したり、ビジュアル化したりして、人を動かすことができる力」だと浅川氏はいう。そうした人心を掌握するトランプの能力については浅川氏の著書『ドナルド・トランプ 黒の説得術』(東京堂出版)をぜひお読みいただきたい。
メディアは神が創造した
もっとも不誠実な存在
浅川氏とは逆に、どうしてメディアはトランプ当選を予想できなかったのか。その理由を一言でいえば、方法論があったかないか。浅川氏にいわせれば、日本のメディアは米国メディアの劣化コピーにすぎない。その米国メディアにしても中立な存在ではない。
メディアは、自分たちの偏見や先入観や願望を候補者に投影し、その先入観にあてはまりそうな世論調査の数値を引っ張り出して権威づける。そこに事実に基づいた分析は存在しない。だから、今回のように自分たちの予想が実際の選挙結果とちがった場合、論理的な説明ができない。こうしたメディアの本質を見抜いていたトランプは「メディアは神が創造したもっとも不誠実な存在である」と述べているほどだ。そうやってほとんどのメディアを敵に回しながらも、トランプは勝利した。
では、浅川氏はどのようにしてトランプ勝利を確信したのか。彼はまず仮説を立てた。それは「現在の多くの米国人の潜在意識では、オバマ政治の存続阻止を願っているのではないか」というものだった。その検証にあたって注目したのは、候補者自身の発言と、それに対する有権者の反応である。候補者の発言とは、ホームページやSNS、演説や討論会など。有権者の反応とは、同じくSNSやブログなどである。
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田中真知 タナカマチ
作家・翻訳家
1960年東京生まれ。作家・翻訳家。1990年より1997年までエジプト在住。著書に『アフリカ旅物語』(北東部編・中南部編、凱風社)『ある夜、ピラミッドで』(旅行人)、訳書にグラハム・ハンコック『神の刻印』(凱風社)、『惑星の暗号』(翔泳社)など。
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