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種類が豊富なエアシーダー
同行した仲間の圃場ではここ2、3年、エアシーダー(真空播種機)の試験をしている。ブロアで種子ホッパーから種子を吸い上げ、エアの勢いでバラ撒くシンプルな構造だが、コメ・麦・大豆の穀類についてはいまのところ良好な播種成果を上げている。キャリブレーションすることで、播種量も一定だ。小麦や水稲の乾田直播にはドリルシーダーを汎用して条播する作業体系を完成させたのに、なぜ新たな作業体系が必要なのかと疑問に思う方もおられるだろう。試みる理由は播種精度がとても良いからである。
この先、穀類の品質と収量の向上には品種をより良いものにするか、1粒の種から育つ個体の均一性を高めるかの二つが大きな課題となる。なかでも後者の個体差をなくすために一番重要なのは、播種時に同じ播種深さで正確に、しかも均等に一粒ずつ種を播いていくことだ。その精度が高まれば高まるほど、株が均一に生育し、収穫する子実はより揃ったものとなる。そのためにはエアシーダーでの播種が求められる。
こうした視点で、播種機のトレンドを探ってみた。まず最も多く展示されていたのは、バイオドリルとも呼ばれるエアシーダーである。大きな種子ホッパーから各条の播種機構にエアホースで種子を送る仕様で、条ごとに種子を補給する手間を省けるのも特徴だ。穀類全般で汎用化できるので、北海道など播種量が比較的多いエリアや穀類の大規模農場で活躍が期待される一台である。
もう一つは、前述した土耕機とのコンビネーションモデルだ。播種床づくりと播種作業が同時に行なえ、作業能率も向上する。直装式ではトラクター側の3点リンクにリフトアップする力が求められることが欠点であろう。条数を拡張しやすく、ディスクハローだけでなく作業幅の広いケンブリッジローラーに装備することもできるので、作業体系をアレンジしやすくなる。播種精度と作業能率が上がれば、耕作規模の大きな経営で威力を発揮してくれよう。
また、播種盤を変えれば、野菜のコーティング種子やトウモロコシを含む大粒の穀類まで幅広く対応できる機種の前では、「なんでも播けます!」と営業マンに力説された。ドリルシーダーの展示もあったが、エアシーダーは今後、ますます注目を集めそうな予感である。
もっと紹介したい作業機はあるが、それは次号をお楽しみに。 (続)
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齊藤義崇 サイトウヨシタカ
1973年北海道生まれ。栗山町在住。昨年、普及指導員を退職し、実家の農業を2014年から営む。経営は和牛繁殖、施設園芸が主体。普及指導員時代は、主に水稲と農業経営を担当し、農業経営の支援に尽力した。主に農業法人の設立、経営試算ソフト「Hokkaido_Naviシステム」の開発、乾田直播の推進、水田輪作体系の確立などに携わる。
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