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わかったことは、大人の事情で動けない組織より、個人のほうが強いということだった。
「当事者である自分が声を挙げなければ何も始まらないのだと気づいたんです」
農地は、原発事故の対策は、原子力発電所は、放射能汚染は、それぞれどこが担当で、どんな責任を持っていて、どんな動きをしているのか、国から地方までどんな構造になっているのか、あらゆる資料や状況を調べ上げて裁判に備えた。
まもなく6年。風評被害の火消しと復興論に鈴木氏は虚しさを感じている。
「お客様に心から安心してもらうためには、やはり根本から変えなければ状況は変わらないと思います。復興を語る前に、きちんと後始末をしてから将来に向かって進むべきなんです。元どおりの農地を後世に残したいと思います。それが私の人生をかけてやる仕事だと思っています。もう一つ、全国の農業の仲間には、このようなことが起きる前に、リスクに備えてほしいということを伝えたいと思っています」
いまは裁判の結果よりも、鈴木氏がこの裁判を通してなんらかの形で残すであろう後世を知りたい。
(平井ゆか)
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