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特集

ルポに登場したあの人はいま(2)【東北編】


「ときどきお茶を持っていったりね」
今年17年産のコメの作付面積は24haになる。近隣の生産者との縁で10年前から約8ha増やすことができた。
面積が増えるのはうれしいことだが、この先30haにまで増えると、新たに乾燥機を増やさなければならない。無駄な投資を避けるため、当面はライスセンターを持っている仲間の力を借りる予定だ。
いま一雄氏が頭を悩ませているのは生産調整のための転作助成である。
「平成30年の減反政策廃止の話は、転作の義務がなくなるのかなって、すごくわくわくしていたんですよ。でも、山形県は独自に生産の目安となる数値の配分をするというのでがっかりしたところです」
鶴岡協同ファームはもともと大粒の特別栽培米をウリに直売してきた。コメのサイズをふるいにかける選別網には、G網と呼ばれる目幅2.00mmの網を使用しており、コメの粒の大きさの点でも付加価値を高めている。大粒の特別栽培米は、1俵60kg、約3万円で直売することができる。しかし、現在3ha分は転作が義務付けられ、300俵は通常の3分の1の1俵8000円で出荷しなければならない。転作助成金2万円を加えても1俵1万円にしかならない。網目を通った米を加工用米として出荷しているものの、1等米に近い特別栽培米が2等米の加工用米や3等米の備蓄米として売られていくのはなんとももったいない話だ。
また、いまや山形県を代表する銘柄となったつや姫は割り当ての条件が厳しい。現在は7haを割り当てられている。おおよそ全体の作付面積の約3分の1の面積が割り当てられるため、一雄氏もこれくらいだろうと自らを納得させている。一雄氏が買った種籾リストのメモを見ると驚いたことがある。ササニシキ、コシヒカリ、ひとめぼれ、はえぬき、でわのもち、つや姫とキロ数が並んでいるが、つや姫だけ326kgと1桁台まで記されている。つや姫の種籾の割り当てがいかに厳しく慎重なものかがわかる。7haを死守するのにもひと悶着あったという。
「2011年に品種登録されてすぐ普及センターに3haで申し込みました。うちのような系統外の作り手が少なかったので『もっと作ってくれ』と言われたんです。そこで7haで作付けを始めました。ところが単価が上がると作りたい人が増えますよね。するとあるとき3haに削られたんです。そんな話はないだろうと県会議員に電話しました。すると30分後、『計算違いでした。7haで大丈夫です』って電話が来ました。後で聞いたら、県会議員は農業の組織を知らないので市長に電話したそうです。もちろん市長も『わかんね』ということで、県庁に電話したので、県庁から普及センターに電話が入ったようです」

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