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「勝馬が30歳になったら、2つの会社に分けて、勝馬にも社長になってもらおうと思います」
夫・一雄氏の協同経営者である妻の明子さんは、夫と子供たちの仕事ぶりや一連のやりとりを黙って見守っている。
「子供たちも、もう自分の家族も子供もいる大人ですから私からは何も言うことはありませんし、心配もしていません。それにお父さん(一雄氏)がついていますから」
10年前の取材時、一雄氏と明子さん夫妻は仕事のパートナーとしてお互いの力を認め合っていた。いまは、親子も仕事のパートナーとしてお互いの力を認め合う家族になっている。大きくなったのは面積だけではないようだ。 (平井ゆか)
困難を乗り越える力は
顧客と将来の夢
(有)グリーンサービスは会津地方でコメを中心に生産から直売までを手がける会社だ。31年間、代表を務めてきた新國文英氏(63)は昨年、息子に社長の座を譲り渡した。会社はいま創業以来の苦境に立たされている。代替わりに際し、会社を立て直すための対策を打ち出した。社長を退いてもなお精力的に会社を支える新國氏の強さはどこから来るのだろう。
(有)グリーンサービス
取締役
新國 文英
(福島県会津美里町)
プロフィール
1953年、福島県新鶴村(現・会津美里町)生まれ。福島県立会津高校を卒業後、就農。85年、近隣の農家と桧の目新田機械利用組合を、86年には農事組合法人桧の目新田生産組合を設立、理事として組合を運営する。91年には農事組合法人グリーンサービス、2003年には有限会社に改称改組。07年にお米社債を始める。経営規模はコメ45ha、ネギ(ハウス)3a、カスミソウ(ハウス)60a、オオタムポエム(ハウス)1.5ha。役員4人、社員5人。
父の後を継ぎ、農業を営んでいた新國文英氏は将来、米価が下がっていくことをいち早く予測した。1985年、将来に不安を感じていた近隣農家2軒とともに桧の目新田機械利用組合を設立した。3軒は農機を共同で購入し、ライスセンターも共同で建設した。翌86年には、農家の後継ぎが減っていくなかで、農地を託したい人と農作業をやりたい人がいるだろうと、現在のグリーンサービスの前身となる農事組合法人桧の目新田生産組合を立ち上げ、農地を引き受け始めた。89年に黒字経営を達成すると、次々と販路を開拓し、順調に経営規模を拡大していった。
【3年連続の不作】
「会社はいま借金があるんですよ」
創業以来の苦境に立たされているのはなぜか。
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