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土と施肥の基礎知識

土壌の化学分析結果の見方

1.見るべきは処方箋より分析値

土壌診断で穴を掘り、断面を調べればわかる土壌物理性に対して、見ても触ってもわからない土壌化学性を把握するには化学分析を行なうほかに手段はない。
JAや肥料商の土壌診断室に分析を依頼すると、分析値のほかに必ずといってよいほど処方箋が付いてくる。そこには、肥料や土壌改良資材の銘柄と施用量が記載されている。しかし、ろくに分析値を見ないで勧められるがままに注文してしまっては、土の健康管理には役立たない。土壌の化学分析結果の診断表には分析項目ごとに下限値と上限値が記載されているので、自分の圃場の分析値と見比べて、「少なければ施し、多ければ施さない」が大原則だ。

2.露地畑とハウスで異なる
酸性土壌の対処法

土壌の化学分析結果にはレーダーチャートあるいは分析値を図示した表などが記載されていて、土の健康状態が一目でわかる。図1は、「全国土の会」で利用している「Webみどりくん」のレーダーチャート(畑・施設土壌用)である。
図1の左は露地の野菜畑、右は野菜ハウスの土で、どちらもpHが5.5程度の酸性を示している。野菜を栽培するにはややpHが低いので改良したい。この場合はどのような対策をすればよいだろうか。
まずpHが低いからといって、すぐに石灰資材を施用してはいけない。交換性カルシウム(石灰)とマグネシウム(苦土)の分析値を見ると、野菜ハウスではすでに石灰も苦土も過剰である。また、土の胃袋のふくれ具合を示す塩基飽和度も129%と腹八分目(80%)を大きく超過している。このような状態で石灰資材を施用すれば、塩基過剰をさらに助長して土の健康を損ねてしまう。

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