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イベントレポート

第2回稲作コスト低減シンポジウム

農林水産省は去る12月19日に「第2回稲作コスト低減シンポジウム」を開催した。同省の講堂は関係者で満員となり、別途会場が設けられるほどの賑わい振りだったが、現場の農業経営者の数は少なく、大半は“農業関係者”と見受けられた。
これまでも同省は担い手の稲作コスト低減事例を後押ししてきたが、その成果を公開すると同時に、安倍政権のもとで検討を進めてきた農業競争力強化プログラムに即した方針を伝える場にもなった。プログラムは、多忙な山本有二農林水産大臣の挨拶を挟んで特別講演を含む5人の講演者が話題を提供した後、パネルディスカッションの形式での質疑応答の場が設けられた。

異業種の協力を得て
建てた巨大精米工場

冒頭の特別講演で登壇したのは、宮城県に拠点を構える舞台アグリイノベーション(株)代表取締役社長の針生信夫氏だ。2013年にアイリスオーヤマ(株)との共同出資により精米事業会社を設立し、年間約10万tの精米生産と約4万2000tの低温保管を行なう精米工場の運用を手がけている。講演のなかでは異業種と手を組むことで課題解決のヒントを得た経験とともに、現状は40%程度という巨大精米工場の稼働率を上げるための方策が語られた。自社の稲作生産では当然間に合わないので、東日本の農家を中心に連携を構築しているという。17年度には65%にまで稼働率を上げるという目標にどの程度アプローチできるのか。質疑応答で生産費を問われた際には60kg当たり9000円以下になると厳しいと回答していただけに今後の取り組みにも注目したい。

施設稼働の維持・確保のために
農業法人と良好な関係築く

次の話題提供者はJA越後さんとうの常務理事、水島和夫氏である。新潟県のほぼ中央に位置する水田単作地帯のJAならではの事例を紹介した。

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