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特集

集落営農 高齢化待ったなし 破綻をどうする



【規模拡大のネック
人材不足への対応】

昆 もうひとつ、規模拡大に必要なのは人材ですね。
藤岡 水田は少ない人数で機械化できて規模拡大できるので、そこが水田経営のメリットでもあります。一方、野菜は人手がかかるのに、最近、人手が足りません。野菜生産の経営にとって、人材不足は規模拡大の最大のネックです。
昆 いま野菜の経営者たちは、どんな人たちを雇っていますか。
藤岡 外国人実習生を受け入れている会員もいますし、当社の場合はパートさんを雇っています。でもパートさんたちも高齢化してきていて、だいたい70歳を超えてきていますね。
昆 ある生産者のところには、大企業で工場の管理をしていた人が定年退職して来ているそうです。その人は農作業をするだけではなくて、まるで顧問のように働き方改革や労働手順を教えてくれるそうです。そういう人がいると、若いパートさんもうまく働くそうです。よく、たくさんパートを雇うようになると、グループの頭にへんな人がいるとダメになりますよね。
藤岡 全体がだめになります。
昆 そのことがすごく経営に響きますでしょう。規模が大きくなると、経営者が常に現場を管理するわけにはいかないので、その現場管理という役割を企業経験者に担ってもらうのは有効だと思います。
藤岡 以前、当社にも自衛隊の幹部職員だった人が来たことがあります。さすが自衛官で、しかも幹部だったので、従業員たちも朝の挨拶からピシっとしましたよ。会社がきちんとした雰囲気に変わります。
昆 自衛隊は医者や法律とか技能を持った人がいますし、現場に出ている人は体力がありますよね。でも定年が早いので、再就職先を探すのが事務方の役割なんだそうです。ほかにも一定期間だけ演習に参加する予備自衛官もいますよね。法人協会で、そういう人たちを積極的に採用するようなことをやってもいいと思いますよ。
藤岡 それはいい案ですね。

【条件の悪い農地は山へ戻す】

昆 地権者の当主が亡くなると、子供たちは自分の家の農地がどこにあるか知らないので、借りる側も登記の管理がたいへんだと聞きますね。
藤岡 いま若い地権者は、自分の土地に対する愛着はありませんから。
昆 北海道の勝部征矢さん(栗山町・農業生産法人勝部農場代表、小麦専作)が、自分は土地利用型経営ではなく、土地管理型経営をしていると話していました。登記簿上は自分のものだったとしても、国のお金が投入されているので国民から借りて管理しているのだと。

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