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さてチームメイトからの声援を受けいよいよ我が家のいたずらっ子がスタートラインに登場。
よーいドン!
結果は他の子たちの倍以上という信じられないスピードでゴール。
普段から山や田んぼで走り回っているとはいえ三男はやせっぽちで身長体重は平均以下。
農作業や薪割りや薪運びを手伝っている分多少持久力はあるかなという程度。
それが信じられないスピードを出しダントツでゴール。
これはいったい何が起こったのでしょう。
会場がどよめき審判員が協議に入りました。
さて彼がいったいどうやってそんなスピードを出したのかというと
キャタピラの中で、でんぐりがえりを3回転。
この単純な思いつきがたまたまこの競技の理にかなっており
彼はほとんど体力を使わずあっという間にダントツでゴールできたというわけです。
彼は自分の考えが当たったことに「やったー!」と思いましたが
協議の結果競技やりなおし。
まあ体を鍛えるための競技ですから苦労しないでゴールしたのはいけないということですね。
確かにそのあとの選手は勝利を手にするため間違いなく同じ行動をとるでしょうから
できるだけ体を使わせたいという指導者の意図からは外れてしまいます。
なので禁止にしましょうというのは僕も理解できます。
しかし最初にでんぐりがえりをしてはいけないというルールの説明はなかったわけですから
本当の意味でのルール違反ではありません。
そもそも運動会は遊びなので僕は我が子の勝利を取り消されて怒っているのでも何でもありません。
ただ、スポーツも体力をつけることだけを重要視せずこういう子供たちの
柔らかい発想の力にも注目すべきではないのかなと思ったのです。
僕ならその競技の意味を説明した上で以後でんぐりがえりは禁止としますが
その発想はユニークで評価に値することも同時に伝えたと思います。
田舎暮らしは町の人たちがイメージするようなのんびりしたものではなく
いかに時間を作り出すかということが大変重要で
この点においては忙しい都会と全く同じなのです。
僕は子供たちと一緒に農作業や薪仕事をしているとき
「めんどくさいなと思ったら他にめんどくさくない方法がないか考えよう」
「新しいやり方が見つかっても、もっといい方法があるかもしれないからずっと考え続けよう」
「新しい考えを見つけることを宝探しのように楽しもう」とよく言います。
子供たちが怪我をしたら単純に禁止にせず
次はどうやったら怪我をせずにその遊びができるかを考えてもらいます。
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山本晋也 ヤマモトシンヤ
副村長
みわダッシュ村
1968年、京都生まれ。美術大学を卒業して渡米後、京都で現代美術作家として活動。そのかたわらオーガニックレストランを経営するも食材を種から作ってみたくなり、京都市内で畑を始める。結婚して3人の子供を授かったころ、農業生産法人みわ・ダッシュ村の清水三雄と出会い、福知山市の限界集落に移住。廃屋を修繕しながら家族で自給自足を目指す。土と向き合ううち田畑と山や川、個人とコミュニティーの関係やその重要性に気がつき、田舎も都会もすべて含めた「大きな意味での自給」を強く意識するようになる。この考え方は、美術家時代にドイツの現代美術家ヨゼフボイスのすべての人が参加して創り上げる社会彫刻という概念に影響を受けた。現在みわ・ダッシュ村副村長。
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