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イベントレポート

これからの農政をどう読むか

農業経営者読者の会および農村経営研究会の新年会が1月30日、都内にて開催され、約50名が参集して交流を図った。ここでの講演「これからの農政をどう読むか」の要旨を紹介する。
針原寿朗氏は、02年に米政策改革大綱を打ち出し、市場の需要に応じたコメづくりの流れをつくった人物である。この流れが18年からの減反政策廃止につながる。長年、コメ政策の転換や改革に携わり、TPP交渉で農林水産省の責任者を務めた立場から、コメ政策の改革のポイントは一貫して「需要に応じた売れるコメづくり」であることを強調した。

チャンスを失う前に
新しいことを

針原氏ははじめに、農政を考えるうえで押さえておくべき2つのアプローチを示した。ひとつは、海外マーケットがアジアを中心に急速に拡大しているなか、いまこそ日本の農業は成長産業または地域の基幹産業として飛躍するチャンスであるとする。もうひとつは、国内の農業は極めて厳しい状況にあり、担い手の減少と高齢化、自給率の低下、価格の低迷、農業経営の悪化などの現場の問題を解決するのが先決とするアプローチである。
針原氏によれば、この2つのアプローチはいずれも正しい。国内の農業・食料関連産業の生産額は約100兆円で国全体の1割を占める最大の産業である。一方、農業総産出額は8.4兆円(14年度)でピーク時から3割減少。世界の食品製造と外食を合わせた推定市場規模は現在400兆円以上で、20年には680兆円に達すると推定されている。

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