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イベントレポート

これからの農政をどう読むか


「この海外市場の伸びを途上国が自国で取るか、日本も含め外国の企業が取るか、TPPやEPAなどの通商交渉という形で競い合っているというのが現状です。足元の問題を解決しながら、チャンスを失う前に新しいことをやらなければならない」

農政改革は
100兆円規模で考える

今回の農政改革の骨格は、生産構造の強化、市場の拡大、生産と消費を結ぶバリューチェーン形成、農協改革と4つある。特徴は、包括的であること、各項目が並行して進められること、「改革が先、開放が後」という考えに基づいて青写真が示されたことである。TPP関連対策は、TPPの発効の有無に関わらず青写真のとおり実行されることは押さえておきたい。
針原氏は現段階での評価は時期尚早としながらも、各項目について持論を展開した。
「担い手への農地集積・農地バンク」では、集落営農のみならず優秀な経営者や地域外から入る若い人を活かすこと、「減反政策の廃止」では、売れる米づくりをすること。減反廃止は国が配分をやめるというより、農業者が経営資源を無駄にしないことを指すと念を押し、マーケットを信用したきれいな形で実行されることを期待していると述べた。
「海外マーケットの拡大」のためには、一次産品ではなく加工品を輸出すること、生産から加工、流通まで、こだわりを訴求できるバリューチェーン・アプローチを確立することが重要になる。それには農協や全農という組織と人材を活かし、改革を進めることが重要だと述べた。
「農政改革実行にあたっては、100兆円規模で考え、常にPDCA(注)を繰り返し、グローバル視点に立つことを留意してほしい」
講演を受けて昆吉則は次のように総括した。
「農林水産省のなかにも葛藤がある。政策がどう変わろうとも、いちばん強いのはマーケットであり、それに最適化していける人々である。現実を動かすのはわれわれ実業者である」

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