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江刺の稲

水田農業経営者の能力が試される時代

  • 『農業経営者』編集長 農業技術通信社 代表取締役社長 昆吉則
  • 第251回 2017年04月03日

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農家が集まる集会で、司会役が必ず話題にするのが「平成30年度問題」。国による生産調整配分が廃止され、水稲に対する7500円の直接支払いがなくなることにどう対処するかと。
「また別の対策が付いてくるよ」といかにも農民的な反応。政治の動向次第では別対策も、あながちないとは言えない。でも、それがどれほどの意味を持つというのか。
平成30年における問題とは、日本の人口構成において最大の人口の塊である団塊の世代が70歳代になることではないだろうか。
全国に約1万5000カ所以上ある集落営農の59%は「後継者となる人材の確保」が課題であるとしている。高齢な担い手農家が預かっている農地も宙に浮いてくるだろうし、大きな面積を占める趣味的な農家たちもこの数年の間に耕作を放棄するだろう。現在でも42万3000haといわれる耕作放棄地が一気に増えるに違いない。平成28年の農業就業人口は192万2000人。うち65歳以上は125万4000人。約65%が65歳以上であり、その人々がこの数年のうちにリタイヤするとすれば、少なく見積もっても半数が耕作を止めることになる。こんな統計の数字を見るまでもなく、周りを見渡せば、後継者のいない農家の未来は想像がつくはずだ。

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