ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

自然災害と農業

[後編]インドネシアのムラピコーヒーから考える

2016年は終わらない自然災害の年だった。4月の熊本地震に始まり、各地での豪雨や台風の上陸で川の氾濫や落橋など広範囲にわたって被害をもたらした。自然災害は種類は違えど全世界どこでも起こる恐れがあり、人口流出で農業に影響する場合もある。今回は、06年と10年に自然災害を受けたインドネシアのジャワ島中部ムラピ山に住む人々を取り上げる。
インドネシアジャワ島中部にあるムラピ山は2006年5月から火山活動が活発になり、同月15日に大規模な火砕流が発生した。さらに、同月27日にはマグニチュード6.3の地震にも見舞われている。10年10月と11月には大噴火が起こり、350人が死亡、30万人以上が避難した。そのムラピ山で祖父の代からコーヒーの栽培を行なっており、現在はムラピコーヒーの普及活動に奔走するコーヒー生産者のSumijo, A.Md氏に話を聞いた。
「自然災害でコーヒー農家が減ったと考えられていましたが、じつは06年以前からコーヒー農家を辞める人は後を絶たなかったんです」
スマトラ島は年に2回、コーヒーが収穫できるが、気候の関係でジャワ島は1回しかできない。スマトラ島の収穫が終わり、ジャワ島のコーヒーを卸売に出荷するときにはキロ1000ルピアと売値が下落している。スマトラ島産の卸値は2倍近いというからそれだけで置かれた状況の厳しさがわかる。

関連記事

powered by weblio