ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

今年の市場相場を読む

伸びが期待された野菜の現状は ゴーヤー/ズッキーニ/ナノハナ/チンゲンサイ

昭和50年代前半、急増したスーパーを中心とした野菜の差別化商品開発合戦が勃発した。当時の差別化商品の開発ターゲットは、業務専用だった「つま物」や、新しい品目・品種だった。その結果、ミニトマト、オオバ、カイワレ、ナバナ、チンゲンサイなどが生き残り伸長してきた。次の商品開発機運はバブル崩壊以降の景気低迷期。なんとか消費拡大できるものはないかと様々な試行錯誤があった。そのときのビッグヒットは、ニガウリ(ゴーヤー)やズッキーニなど。そんな「伸びが期待された野菜たち」は、この10年でどんな動きをしたのか。いくつかの品目を選んで相場の推移を見てみよう。

ゴーヤー
ほぼ順調に成長。「食文化」を売って伸びた典型商品

【概況】
東京市場の入荷動向を06年対16年で比べると、数量で5%減、単価では9%安。しかし、この程度の増減の幅は、単純に減って安くなったら衰退、といったものではなく、気候等による各年変動の範囲内である。06年のトップ産地はもともと生産が盛んだった沖縄が27%、16年では35%のシェア。鹿児島、長崎など九州各県も上位だったが、06年当時から生産していた群馬は16年には84%増、茨城は2.8倍だ。
【背景】
食習慣のない関東でゴーヤーは普及するのか、という懐疑論はあったが、いまや4000tの中堅野菜だ。01年の沖縄県を舞台にしたNHKの連続ドラマ「ちゅらさん」のヒットがゴーヤーの普及に大きく貢献したと俗にいわれるが、実際、東京市場では01年までゴーヤーは「その他果菜類」にまとめられていた。翌02年には突然統計が独立して3256t。この急増は「ちゅらさん効果」を狙って県内流通品を東京出荷したからだろう。
【今後の対応】
市場のプロが誰も予想しなかったゴーヤーのヒット。以降、テレビの「物語り部分」(CMではなく)のPR効果が強まった気がするし、ネットやSNSの普及効果にもつながっている。現在は周年出荷。4月から増え始めて5月の「5・8の日」を経て、逆さゴーヤーの日(8・5)がある8月がピークとなる。ゴーヤーの成長は、商品そのものというよりは「沖縄の食文化」の普及という面が強い。シークワーサーや島ラッキョウなども待っている。

関連記事

powered by weblio