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今月の数字

47%(ドイツの小売業17社の売上高に占める国外事業の割合)

デロイト トーマツ コンサルティング合同会社が発表した「世界の小売業ランキング2017」によれば、上位250社の総小売売上高合計は4兆3,100億米ドル、平均小売売上高は172億米ドル、2010~2015年度における小売売上高の年平均成長率は5.0%となった。250社のランキングのうち、トップ3はウォルマート、コストコ、コローガーで昨年と変わっていないが、アマゾンが調査開始以来、初のトップ10入りを果たした。2010~2015年度における同社の年平均成長率は20.8%と抜きんでている。
アマゾンが公表している「年次報告書」(表1)をもとに売上高の推移を主要地域別に見ると、同社の本拠地米国では2016年に903億ドルと6年前に比べ4.8倍に成長している。なかでも米国での最近1~2年の売上高の伸びは、企業などにデータの保存や分析などの機能を提供するクラウド事業「アマゾン・ウェブ・サービス(以下、AWS)」に支えられており、年率50%以上の成長を占めるAWSが売上高の12%を占めている。実にアマゾン全体の営業利益41億8,600万ドルの74%をAWSが稼ぎ出している。もっとも、AWSの売上高の8割以上は北米で発生しており、米国以外の国での売上高のほとんどは一般消費者を対象とした商品やサービスの販売によるものだ。
次にドイツと日本の売上高の推移を見ると、2014年前後には前年比の伸び率が鈍化したものの、2016年に再度大幅な増加に転じていることがわかる。要因の一つとして考えられるのは、日本とドイツにおける会員サービスの優遇による積極的な囲い込み戦略だ。アマゾンは、「プライム会員」に対する年会費を商品の迅速な発送や配送料の無料化、映画・ドラマの無料視聴などの特典内容によって国別に異なる設定をしている。2016年時点で特典が最も手厚いのは米国、ドイツ、日本、英国であり、それ以外の国ではビデオ、音楽、電子書籍についてサービス特典はない。他方、年会費は米国で99米ドル(約1万円)、英国では79ポンド(約1万700円)だが、ドイツでは49ユーロ(約5,600円)、日本では3,900円とリーズナブルになっている。

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