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【オピニオン】
日本農学アカデミーが「遺伝子組換え作物の実証栽培に関する提言」を行なったその内容と意義
- 北海道バイオ産業振興協会 会長 冨田房男
- 2017年05月08日
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この3月1日午前に日本農学アカデミー(http://www.academy.nougaku.jp/)は、「遺伝子組換え作物の実証栽培に関する」提言を行なった。これは、2004年北海道が「遺伝子組換え作物栽培禁止条例」を策定する際に、反対の意見を述べて以来のものである。その立ち位置は以前と全く同じである。
その提言の内容は、以下の三点となる。
1.国の主導のもとに学術団体も協力し、日本の農業環境においても海外と同様の利点を発揮することを確認するために適切な管理下で、遺伝子組換え作物の利点の実証栽培を日本各地で行なうこと。
2.雑草防除と直播に効果が高いと期待される遺伝子組換え除草剤耐性テンサイの北海道における栽培試験が行なえる環境作りに国と道が取り組むこと。
3.上記の試験結果を公表し、国民的検証に付することにより、遺伝子組換え技術の農業上の利点の理解を促進すること。
このような提言は、学術団体からのものとしては最初のものである。日本農学アカデミーのホームページに収載するとともに行政機関、学術会議、関連学術団体などに郵便で発出した。
また、3月1日午後には農林水産省の記者クラブで記者発表も開き、取材記者10名との質疑、議論も行なった。これもまた意義あるものと言える。
GM作物の安全性については、多数の研究と20年間の栽培実績に基づいて確立していることは、米国科学、工学および医学アカデミー(National Academy of Science, Engineering and Medicine)、英国作物生産協議会(British Crop Production Council, BCPC)などが確認している。
米国科学、工学および医学アカデミーが発行した「遺伝子組換え作物:経験と展望」によるとこの本が書かれた理由は、(1)現在の遺伝子組換え作物(GM)やそれに由来する食品がもたらすベネフィットやリスクを強調する主張や研究は、国民や政策立案者に混乱状況をもたらしている。(2)これらの主張の背後にある証拠と研究成果を厳しく、慎重に検討した研究の明確な必要性がある。(3)遺伝子組換え技術は急速に進歩しているため、最先端の研究と将来どこに向かうのかを知る必要性がある。としている。
その提言の内容は、以下の三点となる。
1.国の主導のもとに学術団体も協力し、日本の農業環境においても海外と同様の利点を発揮することを確認するために適切な管理下で、遺伝子組換え作物の利点の実証栽培を日本各地で行なうこと。
2.雑草防除と直播に効果が高いと期待される遺伝子組換え除草剤耐性テンサイの北海道における栽培試験が行なえる環境作りに国と道が取り組むこと。
3.上記の試験結果を公表し、国民的検証に付することにより、遺伝子組換え技術の農業上の利点の理解を促進すること。
このような提言は、学術団体からのものとしては最初のものである。日本農学アカデミーのホームページに収載するとともに行政機関、学術会議、関連学術団体などに郵便で発出した。
また、3月1日午後には農林水産省の記者クラブで記者発表も開き、取材記者10名との質疑、議論も行なった。これもまた意義あるものと言える。
GM作物の安全性については、多数の研究と20年間の栽培実績に基づいて確立していることは、米国科学、工学および医学アカデミー(National Academy of Science, Engineering and Medicine)、英国作物生産協議会(British Crop Production Council, BCPC)などが確認している。
米国科学、工学および医学アカデミーが発行した「遺伝子組換え作物:経験と展望」によるとこの本が書かれた理由は、(1)現在の遺伝子組換え作物(GM)やそれに由来する食品がもたらすベネフィットやリスクを強調する主張や研究は、国民や政策立案者に混乱状況をもたらしている。(2)これらの主張の背後にある証拠と研究成果を厳しく、慎重に検討した研究の明確な必要性がある。(3)遺伝子組換え技術は急速に進歩しているため、最先端の研究と将来どこに向かうのかを知る必要性がある。としている。
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冨田房男 トミタフサオ
北海道バイオ産業振興協会
会長
1939年北海道興部町生まれ。北大農学部卒業後、協和発酵工業㈱入社。68年マックマスター大学大学院・分子生物学博士課程修了、Ph. D.取得。90年北大農学部教授、副学長。2003年に米国産遺伝子組み換え大豆をあえて使用した納豆を開発、販売し、話題を集めた。
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