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イベントレポート

豪雪地帯の風土の恵み「ワラビ」で地域活性


ワラビは、春、葉が広がる前の茎を採り、茹でたり炒めたりして食べる。しかし、春の収穫期はちょうど水田やハウスの花壇苗の作業と重なってしまう。そのため、観光園として開放しようと考えた。自分で根を掘り起こして植え直し、面積を確保できた07年から観光わらび園をスタートした。現在は約3haにまで拡大している。

根茎からとれるデンプン生産へ

当初は、上部の茎を収穫するために栽培していたが、高橋氏はワラビの根茎から採れるデンプンに注目した。
ワラビは、5~6年経つと根が混み合って茎がやせてくるため、数年ごとに更新する必要がある。地中に張った古い根の一部を取り除くと、そこに新しい根が伸びてくる。高橋氏は、ワラビのその性質を活かし、すべての圃場を一度に更新するのではなく、トラクターの幅で縞状に更新し、更新していない土地の古い根から、更新した土地に新しい根が伸びるようにするという方法を考えた。
すると、更新したときに掘り起こされた古い根茎が残る。高橋氏は、明治生まれの祖母に聞いていた話を思い出した。
西和賀町は、水稲は冷害に見舞われることが多く、食糧を外部から調達しにくかった昭和30年ごろまでは、冷害時、地域の人々はワラビの根茎からとれるデンプン(根花)で飢えをしのいでいた。江戸時代にまでさかのぼると、ワラビのデンプンは、ふすまなどに使われる高級糊の原料として上方に売り、売りものにならないものは自分たちで食べていたという歴史もあったという。
「更新時の根茎をみすみす捨てるのではなく、そこからデンプンをとったら面白いのではないかと、ふと思いついたわけです」
現在、観光わらび農園のほか、デンプン生産専用の圃場も0.5ha確保している。手作業のデンプン生産は、たいへんな手間がかかるものだった。
原理は芋からデンプンをとる方法と同じである。デンプンは、秋、上部の茎葉が枯れた後に根茎にたまる。根茎を掘り起こしたら、水洗いをして泥を落として小さくカットし、高速ミキサーにかける。これに水を加えてもみ洗いをし、ろ過して1日置くと3層に沈殿する。下は泥や砂、中間は純度が高いデンプン、上は皮などの不純物である。上下をナイフで切り落とし、中間部だけを取り出し、撹拌して沈殿させる。撹拌・沈殿作業を上澄み液が透明になるまで繰り返し、最後に精白度が高いものだけを削りとって純度が高いデンプンを取り出す。これを乾燥、殺菌、袋詰めしてようやく商品として完成する。

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