記事閲覧
「ヘリコプターは風を下に押し込んで上に揚がりますけど、それと同じ仕組みで、倒れている葉をプロペラで立たせてそこを2枚のカッターで切ります。センサーが付いていますので、どれくらい葉を残すかの設定もできます。30人で1日1haだったものが、機械のオペレーター1人で6ha以上になりました」
出荷・調製の選別機も山本がインターネットで探し出したものだ。以前は訓子府機械工業のオニオンタッパージュニアで対処していたが、処理量は1日10tで、24時間体制で稼働させながら3、4カ月を要していた。それがフィールドタッパー同様、NICHOLSON社製のオニオントップテイラーというシステムを導入したところ、丸々動かしたら1カ月もかからずに完了するようになった。1日最大120tのたまねぎが処理でき、葉切りと根切りが一緒に行なえるとともに、最終工程でサイズ選別される。
「機械は日本だけではダメです。世界に視線を移せばいろんなものがあります。NICHOLSONの二つの機械によって季節雇用は半分になりました。どちらも値段は手ごろでしたよ」
たまねぎの工程管理には収穫、乾燥、出荷・調製の三つのポイントがあるという。ここまでそのうちの二つを取り上げてきた。もう一つは乾燥になるわけだが、この改善こそがいまのアリアケファームを支えている。
乾燥庫での腐敗問題を
アスパレーションシステムが解決
アリアケファームでは、近隣の生産者からの調達分を含め、2500~2600tのたまねぎを取り扱っている。乾燥庫は他産地に倣ったものを建設した。だが、これが機能せず、初年度、翌年度と2年連続で腐敗果を発生させ、大損害を被ることになる。
「この乾燥庫は上から風を当てて除湿機を回すものでしたけど、北海道式のスチールコンテナの4段重ねでは中心部までどうしても乾燥しませんでした。それで腐ったわけです。府県では、青刈りで持ってきて乾燥は乾燥庫で行ないます。我々も最初はそれが当たり前だと思っていたんですけど、1室に10台の乾燥機でもダメでした」
この窮状を聞かされていたアリアケジャパンの岡田会長以下役員がFOOMA JAPAN(国際食品機械工業展)を訪れていたときのことだった。農産物の貯蔵鮮度保持が専門の北海道の(有)TOMTEN(現・(株)TOMTEN)のブースで社長の山道弘敬と商談するや興味を示す。そこからアリアケファームの横尾に話が降りてきて、山道が代理店を務めるオランダの貯蔵システム会社、Mooij Agro社の製品が導入された実物を見るため、山道とともに同国へ飛んだ。
会員の方はここからログイン
農業経営者ルポ
ランキング
WHAT'S NEW
- 有料会員申し込み受付終了のお知らせ
- (2024/03/05)
- 夏期休業期間のお知らせ
- (2023/07/26)
- 年末年始休業のお知らせ
- (2022/12/23)
- 夏期休業期間のお知らせ
- (2022/07/28)
- 夏期休業期間のお知らせ
- (2021/08/10)