記事閲覧
【土門「辛」聞】
在留邦人も食べている欧州産米の味と値段
- 土門剛
- 第153回 2017年06月13日
- この記事をPDFで読む
毎日手打ち、ロンドンの
讃岐うどん専門店
海外ではスシばかりが注目されているが、最近はうどんがヨーロッパでも根付こうとしている。ロンドンとパリには、本場・讃岐の手打ちうどんを売り物にした店が人気になっている。
ヨーロッパで最初にうどん文化を持ち込んだのは、在留邦人や観光客の多いロンドンではなかろうか。いまから10年ぐらい前に中華街にあった讃岐うどん店「Geisha(芸者)」だ。ところがこの店は2、3年で潰れてしまった。
これでロンドンのうどん文化は定着せずかと思っていたら、その直後に本格手打ち讃岐うどん専門店「こや」が中華街に隣接するソーホー地区にオープンした。「小屋」をイメージしてのネーミングだった。ソーホー地区は、東京なら新宿のような繁華街だ。
オープン直後から超人気店になり客の行列が地元の話題になった。ロンドンを訪れると、いつもこの店に足を運んだ。
いつも注文するのは天ぷらうどんだ。出汁の旨さに驚いた記憶がある。讃岐うどん専門店と名乗るぐらいだから、うどんのコシもしっかりしていた。天ぷらもうどん屋ということを考えれば、十分に合格点だった。
食べ終えたあと、調理場にいた店主に、「水はどうしているのか」とたずねたことがある。いい出汁を出すには軟水が必要だ。ご存知、ロンドンの水道水は硬水。マグネシウムやカルシウムが多く含まれている。これではよい出汁は作れない。
会員の方はここからログイン
土門剛 ドモンタケシ
1947年大阪市生まれ。早稲田大学大学院法学研究科中退。農業や農協問題について規制緩和と国際化の視点からの論文を多数執筆している。主な著書に、『農協が倒産する日』(東洋経済新報社)、『農協大破産』(東洋経済新報社)、『よい農協―“自由化後”に生き残る戦略』(日本経済新聞社)、『コメと農協―「農業ビッグバン」が始まった』(日本経済新聞社)、『コメ開放決断の日―徹底検証 食管・農協・新政策』(日本経済新聞社)、『穀物メジャー』(共著/家の光協会)、『東京をどうする、日本をどうする』(通産省八幡和男氏と共著/講談社)、『新食糧法で日本のお米はこう変わる』(東洋経済新報社)などがある。大阪府米穀小売商業組合、「明日の米穀店を考える研究会」各委員を歴任。会員制のFAX情報誌も発行している。
土門辛聞
ランキング
WHAT'S NEW
- 有料会員申し込み受付終了のお知らせ
- (2024/03/05)
- 夏期休業期間のお知らせ
- (2023/07/26)
- 年末年始休業のお知らせ
- (2022/12/23)
- 夏期休業期間のお知らせ
- (2022/07/28)
- 夏期休業期間のお知らせ
- (2021/08/10)