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今年の市場相場を読む

今年はどうなる東北・北海道の夏秋野菜 トマト/キュウリ/ブロッコリー/ピーマン


【今後の対応】健闘した長野産は7%増えたものの、北海道産が18%減、続く埼玉産30%減、愛知産は20%減。台風直撃の北海道の被害も大きいが、ある意味もっと深刻だったのが関東、東海をはじめとする全国的な天候不順だ。高騰対策としての輸入品の入荷も、米国産が年間で9%程度の増のみ。東京市場のブロッコリー産地は国内40、海外6もある。圃場の土が流れた北海道産地の回復は見通せないが、他の産地は、今年こころもち多く作付けするだろう。

ピーマン
単価が2倍以上に高騰。相場を支配する主産地茨城

【概況】東京市場のピーマンの入荷動向をみると、16年は全体で6%の入荷増で2%安。ところが10月と11月にキロ550円前後と高騰した。秋冬はピーマンの不需要期であるが、この高騰ぶりだ。10月は前年より1割減ながら単価は63%も高く、11月に至っては9%減ながら単価は2倍以上になっている。シェア約5割の茨城は前年より4%入荷増だ。8~9月の産地岩手も15%のシェアで、前年より15%増えている。しかし10月から高騰するのだ。
【背景】10~11月は茨城産が5~6割のシェアを持っている。ところが春には入荷を増やしていた茨城が、10月には2割、11月には13%減る。どちらかといえばサブ商品のピーマンでも、これだけシェアのある中心産地の入荷が減り、他の主要野菜が高騰していれば、やはり気配は高値推移になるものだ。冬春産地の高知、宮崎、鹿児島などが前倒しで出荷したが、まだ量が少ない上に原価高の西南暖地の産地からのものでもあって、なかなか相場も鎮静化しなかった。
【今後の対応】東北・北海道の夏秋産地の、前と後の出荷をリレーする役割の茨城産は、シェアも高く信頼される主要産地である。しかし、日照と温度が積算されないと生育が止まるのが果菜類の宿命である。それだけ、昨年の夏~秋は天候が不安定で日照が足りなかった年だったのだ。夏秋期のピーマンは、かつては西に有効な産地がなかったが、近年、大分県などが西日本を分担できるようになった。それでも茨城産は全国流通する。今年も主産地らしく平年作を狙うだろう。

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