記事閲覧
日本で加工される魚は、アジの干物のような尾頭付きのものが多い。これは漁の日も干す日も天気が良くなければできない。すなわち毎日つくることができない。しかし食べる側はどうだろう。毎日干物は食べないが、冷凍した魚は弁当や回転寿司などで毎日のように食べている。
一方、中国やベトナム、チリでは魚を3枚におろしてサクにして冷凍して日本に輸出している。それが日本人の弁当の食材になっている。
長崎も、大きな魚を獲って鮮度が高いうちに漁港で3枚におろして冷凍し、それを出荷すればよい。小さい魚だと手間賃を出せないが、大きな魚なら手間賃を出すことができる。漁港の近隣には長崎市や佐世保市など少なからず消費してくれる都市もある。輸入品ではなく近海の魚だというアピールもできる。
陸のものも海のものと同じ。加工が必要な小麦や大豆は輸入品である。それは農村から都市に出て行った女性たちがつくっている。そして当の女性たちは調理の手間がかからない加工品を求めている。コメを推奨する男性たちは、お菓子屋やパン屋になりたい女性、洋食が好きな女性、料理に時間をかけたくない女性が増えていることに気づくべきだろう。地元の食材を使い、地元の加工場で地元の女性が加工品をつくるのがスマート・テロワールの形である。
会員の方はここからログイン
松尾雅彦 マツオマサヒコ
カルビー(株)
相談役
1967年カルビー入社。宇都宮工場長、取締役を経て、80年カルビーポテト設立と同時に社長就任。北海道を中心に全国でジャガイモの契約栽培と貯蔵体制を確立し、ポテトスナック原料調達システムを整備する。92年カルビー社長、06年から相談役。08年10月食品産業功労賞受賞。NPO法人「日本で最も美しい村」連合副会長を務める。
ランキング
WHAT'S NEW
- 有料会員申し込み受付終了のお知らせ
- (2024/03/05)
- 夏期休業期間のお知らせ
- (2023/07/26)
- 年末年始休業のお知らせ
- (2022/12/23)
- 夏期休業期間のお知らせ
- (2022/07/28)
- 夏期休業期間のお知らせ
- (2021/08/10)