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伝法院 試作品はどれくらい売れていたんですか?
藤田 千代ちゃんやパートさん、連携先の社員さんにも食べてもらいましたが、かなり好評でしたよ。
伝法院 ということは、一般の消費者の反応は見ていないわけですね。なるほど、失敗の原因が見えてきたように思います。
藤田 試作品をお客さんに売るなんてできないですよ。それに、試作品を作って、また作り直すなんて。
伝法院 試作品を販売ルートに乗せることはできないかもしれませんが、展示会に出したり、マルシェで販売してみたり、試せる場はたくさんあるんですよ。それに、実際には食べてもらう前に買ってもらえないと意味がなくなってしまいます。まずは手に取ってもらえるかどうか。味とともにパッケージの見た目、デザインなど、消費者の行動を観察しないと得られない情報はたくさんあります。
藤田 でもそこまでのコストを捻出するのが大変で……。
伝法院 たしか、藤田社長も以前に農商工連携や6次産業化の補助金についてご質問されていましたよね。試作品のコストに関するハードルを越えるためには、そういった補助金を活用する選択肢もありますよ。
今回の執筆者
瀬戸山 匠・せとやま たくみ
(有)人事・労務小商いプロデューサー/(一社)日本ES開発協会 事業開発室長/われらまちの農縁団
地域活性化マルシェの企画・運営を統括。「人に地域に環境にやさしい持続可能な社会を目指して」をテーマに、グリーン企業が集まる勤労感謝イベントや、「日本の未来のはたらくを考える」をテーマに日光街道143km踏破イベントを開催。埼玉県春日部市に実在する農園アルパカファームの園長でもある。
消費者視点の「試作→行動観察→再試作」
【成功と失敗の分かれ目】
「農商工連携で新商品を開発しよう!」「6次産業化で新しい経営を展開しよう!」。これまでの約5年間、さまざまな地域で声高に叫ばれ、この2つのキーワードは農業界で賛否両論はありながらも共通言語になりました。
平成20年に「農商工連携促進法」が成立してから、これまでに732件の事業が農商工連携事業計画の認定を受けました(平成29年2月3日現在)。そのうち、「新規用途開拓による地域農林水産物の需要拡大・ブランド向上」が338件と一番多く、さまざまな地域で商品・サービスが生まれ、地域を盛り上げてきました。
その反面、「農商工連携の補助金ありきで生み出された商品は結局売れず、一時的なにぎやかにしかなっていない」という意見も多く耳にします。時流に乗っかっただけ、補助金がなければやらない。そんな事業の多くが失敗の山を築いてきたのも、悲しい現実です。
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矢萩大輔 ヤハギダイスケ
(有)人事・労務
代表取締役
大手ゼネコン勤務後、1995年に社会保険労務士として都内最年少で開業。起業支援ポータルサイト「ドリームゲート」アドバイザーとして新規就農にも相談に乗っている。農業を通したリーダーシップ研修の場として自社農園「アルパカファーム」を運営。八戸農業ビジネスナイトセミナーや、FM東京「あぐりずむ」の出演プロデュースなども。著書『脱家族経営!若者に魅力ある農業経営のレシピを教えます。』ほか。
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