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Opinion

21世紀の農業のあり方


日本の酪農を振り返ってみると、本州では土地基盤に沿わない多頭数飼育酪農が多い。乳価格の支持政策、購入飼料の価格が比較的安いという条件(円高)で成り立ってきたと考えられる。それは国際化でなく、価格支持政策と安価な餌が必要条件であり、土地基盤のない高泌乳多頭化をもたらすことに基本的問題があった。環境汚染問題は堆肥処理も含めて深刻である。
北海道酪農、それは本州とは成立条件が異なり、土地を基盤とする農業が可能である。一般の酪農家を例に挙げると、その多くは30~40 haの土地を保持し、搾乳頭数は50~80頭規模が多い。ストッキングレートはha当たり2頭以下程度が多く、適切といえる。それは土地を基盤とする健全経営の酪農が存在できる条件である。問題点は何か? 草の栄養的質とその利用方法、放牧の仕方が不十分であったため、輸入の購入飼料を多量に使っていた点である。さらに、牛の病気、繁殖率の良くないことも問題である。

原点回帰

ここで原点回帰を提言したい。
経営上の基本として頭数拡大を求めない。余計な投資は控え、固定経費を抑えることを第一とする。
土のミネラル栄養とそのバランスを改善することから草の生産性、質の向上、それによる牛の健康維持、繁殖率の向上をもたらし、さらに餌代を下げることを目標とする。輸入配合飼料の使用半減を目標に、そのうえで輸入飼料の利用を最小限に抑える方向性を持つことが国際化の波を防ぐ最大の方策である。
放牧による労働の縮小、適切な栄養管理で健康な牛にすることで獣医費の削減などによるコストの低減、そ
れによる変動経費の大幅低下、ひいては農家経営のネット収益の向上を可能にする。結果として安心で健全な経営を確立することが可能となる。
一方では、頭数拡大と放牧無しの飼育、さらに酪農家が自給飼料のコントロールを失うTMRセンターの増加は経営をますます困難にしている。
グローバル化の名の下に大企業の利益を優先する政策と貿易を自由化する動きがあるが、その対応はしばしば表面的な経営規模拡大による粗収入の増加、それを経営改善策と呼んで出されることが多い。世界的にそれは酪農家を破滅に追いやる逆現象を招いている。
その反面、世界の食料生産は地球温暖化により大きな危機に瀕している。世界の食料生産地帯では干ばつと洪水、異常気象に頻繁に対面している。自国の食料をいかに生産して維持するか。それは一国の重大な課題である。

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