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Opinion

21世紀の農業のあり方


現在の技術体系には“やらなくてもよいことをする”作業(技術)がたいへん多いのである。放牧はそれを象徴している。牛ができることをなぜヒトがするのか? 4足動物は歩いて採食し、マニュアーを散布する。さらに、栄養的にも必要な物を選ぶことができる。ヒトは牛の作業を妨げず、その効率を上げるために柵を作る。不足のときに乾草を与える。土の管理をして補給する。
そのため、土-牧草-牛の栄養科学を基にして牛にとってベストになる技術体系、放牧システムを作ることである。フレキシブルな放牧とPMR(パートリー・ミックスド・レーション=生産乳量に応じて必要な濃厚飼料をロボットで個々に給餌する給餌)による栄養のバランスの管理はその例である。放牧を成功させるために草地の栄養を確かめ、乾草、サイレージで補う作業が重要となる。そこでは放牧地からの牛の栄養摂取を第一とし、購入飼料をあくまでも補助飼料と考えることが重要である。牛の第1胃を作るのは草であり、その原点を忘れてはならない。
草地におけるマメ科草の重要性、蛋白源、Caなどのミネラル栄養源、空中窒素の固定を決して忘れてはならない。自然の生態系を大切にし、それを基本にするとき、農業は成功するであろう。

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