ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

亜麻物語

亜麻繊維の製造法

1)浸水

製繊工程で繊維を取りやすくするために、工場では茎を水に浸し、発酵させてペクチン質を微生物で分解する。この工程で酪酸や乳酸などが形成され、悪臭が出る。この時期になると、亜麻工場の近くは臭いが強く、苦情が出るようになる。製紙工場からも同じような臭いが出てあまり評判はよくなかった。
亜麻工場の場合、周年ではなく、季節的なものであって多少は穏便に認められた。浸水の廃液は何ら浄化することなしに自由に河川に放流されていたが、環境汚染・公害が話題となり、浄化処理が義務づけられる。この処理経費は亜麻工場にとって大きな負担となった。
農家から集荷された亜麻茎は、最初野積みされるが(図1)、浸水発酵を効率的に行なうために担当者が品質別に分けて再結束し、吹抜庫等へ運び込む。これを順次浸水発酵させるが、発酵を終えれば、干場に移して天日乾燥をする。均一に乾燥するために束を立てたり、手返しをしたりするので、相当の手間を要し、経費が多かったようである。

関連記事

powered by weblio