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【新・農業経営者ルポ】
0勝0敗より10勝10敗、世襲禁止も追い風の挑戦し続ける観光農園
- (有)平田観光農園 代表取締役社長 平田真一
- 第157回 2017年08月02日
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果物から収穫体験に価値を
シフトした「ちょうど狩り」
それは取材を終え、平田観光農園の代表取締役社長であるオーバーオール姿の平田真一(51)に写真撮影へ臨んでもらうときのことだった。
「どんな写真ですか。(誌面のサンプルを見て)それなら若いのも集めたほうがよさそうですね。3人くらい声をかけましょう」
さっそく平田がスマートフォンで電話すると、方々から20代と思しき男性従業員3人がやってきた。デザインは個々に異なるが、皆オーバーオールを身にまとっている。我々取材陣と対面するや元気よく挨拶してくれた。
撮影ポイントは一風変わった趣のあるところだった。テラスの前方から黄緑色のビニールホースとそれにつながった赤いヘルメットが垂れ下がっている。これを被れば、そうチェリーボーイの完成だ。仮装した面々は時折付近を通りかかる来園者ににこやかに手を振ったりし、平田にいたってはポーズの取り方をカメラマンに確認する余裕ものぞかせていた。
そんな平田が経営する観光農園は、15 haの敷地で14樹種150品種に及ぶ果樹を栽培し、果物狩りを楽しんでもらうことを主力事業にしている。品目の多さもさることながら、この観光農園と他との決定的な相違点は、チケット制の果物狩り「ちょうど狩り」を夏から秋にかけて実施していることだ。
「たとえば、8月下旬であればプラムやプルーン、イチジク、リンゴ、ブルーベリー、ブドウ、モモ、和梨が収穫できます。当園では、このようにたくさんの果物が同時に旬を迎える期間が3カ月あるわけです。単一や数種類の食べ放題からなかなか抜け出せないなか、付加価値を高める方法を考えていたときに若い社員から発案されたのがそのちょうど狩りでした」
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平田真一 ヒラタシンイチ
(有)平田観光農園
代表取締役社長
1965年、長野県塩尻市生まれ。広島大学法学部卒業後、会計事務所に勤務。96年、家業の(有)平田観光農園に移り、2007年、現職に就く。(株)果実企画取締役、(株)イチコト取締役、川西地区果実共同加工組合代表、農のふれあい交流経営者協会(元・全国観光農業経営者会議)会長も兼任する。
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