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【スマート・テロワール通信】
地域産業の基礎は農業だ
- カルビー(株) 相談役 松尾雅彦
- 第2回 2017年08月02日
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向都離村を食い止め、
未利用資源がある場所の活用へ
国土を4250万人ずつ3つの層に分けた地図(図1)の説明を見ると、赤色の都市部の人口が増加し、緑色の農村部の人口が減少しているのがわかる。これは、若者たちが農村から都会へ向かう「向都離村」が起きているのを示している。
「向都離村」の問題のひとつが「少子高齢化」である。農村では農業従事者の出生率が高いが、都市部では非正規労働で働く人が多く出生率が低い。
もうひとつの問題は、人口の半数は農村部の資源の上に成り立っているにもかかわらず、若者たちが農村部の資源とは関わりがない場所で働いているということである。表1のように、都市化が進む地域ほど、耕地=資源が支える人口が多い。
本来、未利用資源が豊富な農山漁村は、日本の成長エリアである。図1の緑色の地域に日本の耕地の78%があり、赤色の地域にはたったの2%に過ぎない。全体の40%を占める休耕田や耕作放棄地を畑作や畜産に転換して活用すれば、自給率70%を実現できる。
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松尾雅彦 マツオマサヒコ
カルビー(株)
相談役
1967年カルビー入社。宇都宮工場長、取締役を経て、80年カルビーポテト設立と同時に社長就任。北海道を中心に全国でジャガイモの契約栽培と貯蔵体制を確立し、ポテトスナック原料調達システムを整備する。92年カルビー社長、06年から相談役。08年10月食品産業功労賞受賞。NPO法人「日本で最も美しい村」連合副会長を務める。
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