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実践講座:したたかな農業を目指す会計学 続・入るを計り出を制す!

人材と雇用の話(4)右腕と期待する社員の待遇

武将の器量は統率力のみならず部下やブレーンの重用にあり

虎は死して皮を留め、人は死して名を残す。虎は死んだ後にその毛皮が珍重され、偉業を成した人は死後にその名を語り継がれるという教えを説いたことわざで、古来中国の武将、王彦章に由来するといわれている。
このように中国の武将の偉業は、現代に故事やことわざとして沢山語り継がれているが、なかでも人気を博しているのは600人を超える武将達が登場する三国志であろう。当然ながら、歴史好きの私は、横山光輝氏の漫画に始まり、ゲームや小説などで親しんできた。最近は忙しくなり、三国志に学んだ教訓を自身の経営の采配で楽しんでいる。
三国志に登場する武将のなかでも、劉備(りゅうび)、関羽(かんう)、張飛(ちょうひ)、諸葛亮(しょかつりょう)の対立軸として並び称される曹操(そうそう)が、私の贔屓である。ときに残忍で悪の一面を描かれるが、あれは後世の人が劉備を正義とするために対立軸を悪として見せたほうがおもしろいからであろう。知勇兼備で、政治家、歌人としてもその名を後世に残すほどのマルチなところがとても素敵である。曹操にまつわる逸話からとくにお気に入りの一つを紹介する。
ある戦の行軍中、暑さでヘトヘトの兵士たちが喉の渇きを訴え始めたときのこと。当時は曹操も兵士のひとりだったが、すかさずその場面で「皆の者、もう少しの辛抱だ。この山を越えると梅の林がある」と声をかけた。すると、兵士たちは梅の酸っぱさを想像して口に唾を溜め、いつしか喉の渇きを忘れて歩を進めたのだ。曹操のひと言のおかげで行軍が無事に進んだというエピソードである。
なんと機転が利く、リーダーの発言だろうか。たとえそれが嘘であっても、仲間の兵士の士気を鼓舞し、行軍を乗り切ったことに変わりはない。苦しいときこそ皆にやる気を持たせる心理作戦には恐れ入る。

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