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ただ町内市街地域や札幌など都市圏では光ファイバーで速度は最低でも30Mbps出ると言う。市街以外は半径2kmに対応する無線局のアンテナが30基作られ、町内2800世帯に恩恵を与えることになっていた。
電波に詳しい方はご存知だと思うが、電波は距離の2乗に比例して減退する。私の農場は一番近いアンテナから1.5kmだったので当然だが、ネットの速度は一番低いことになる。今で言うとこの大規模の無線LAN(Wi-Fi)システムの構築は良いけど、一般家庭でも10年前のWi-Fiを使っていたらどうなるのか、小学生でも理解できることが時給3000円の組織になると解らないのだから不思議な社会である。当初からこんな無駄な投資を止めてNTT、au、ソフトバンクに補助金の自腹分を支払い、光ファイバーを引いてもらった方が良かった。
別の用もありNTTに聞いたところ、「長沼町さんが勝手にやったことにNTTは関与しませんよ」と当然の回答。結局は民業つぶしの町営事業は上手くいきません、ってことだ。当然私が考えることを多くの町民も考えたのだろう、多くの町民から民間通信会社に変更すべきとの声が上がり、数年でNTTが光ファイバーを全戸に敷設し、現在では30Mbpsの速度で金髪・ブルーアイが快適に見られる環境になった。
そうなると利用価値のない30基あまりの無線基地をどうするのか?という話になる。なんでも補助金で作ったので簡単に潰すことが出来ない、とのたまう。そこで私が誤差を数センチに出来るGPSのRTK補正局として運用できないものか町に提案して、直接担当者と話をした。無線局の担当者は民間に運営を委託しているNECと聞いていたので「精密農業として高さ5mの使われない無線局を有効活用できますよ」と話すと担当者は黙って聞いていたが、彼は最後にこう言った。「RTKって何ですか?」「NECなのにRTKも知らないの? まるで昨日と同じことやってればいい組織と同じですね」と言ったら「私は地方公務員です」と胸を張って返された。
なんでも事業がうまく軌道に乗ったので(?)数年前にNECから町に移管されたそうで…、そんな話が今から10年前になります。
ハンドル操作も自動の
オートステアー
農場では15年ほど前からGPSガイダンスを使った機器で右に5cmずれてます、左に5cmずれていますよと表示が出て、その指示通りに手動でハンドル操作を行なっていた。その当時はオー!文明開化の申し子よと感動したものだ。
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宮井能雅 ミヤイヨシマサ
西南農場
代表取締役
1958年3月、北海道長沼町生まれ。現在、同地で水田110haに麦50ha、大豆60haを作付けする。大学を1カ月で中退後、農業を継ぐ。子供時代から米国の農業に憧れ、後年、オーストラリアや米国での農業体験を通して、その思いをさらに強めていく。機械施設のほとんどは、米国のジョンディア代理店から直接購入。また、遺伝子組み換え大豆の栽培を自ら明かしたことで、反対派の批判の対象になっている。年商約1億円。
北海道長沼発ヒール宮井の憎まれ口通信
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