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新・農業経営者ルポ

人生には夢が欠かせない農業経営には計画が必要だ

できたものを売るのではなく、必要とされるものを必要なだけ作る――この産業として当たり前の発想が、ようやく農業の世界に浸透しつつある。契約栽培の概念も、実力ある農家には広く受け入れられている。今後生き残っていくであろう生産者は、ビジネスマインドを備えた経営者。就農してすぐ牛500頭を目標に掲げ、借地と預託肥育でこれを実現した関治男さんに、そのビジネスマインドの源泉を探る。取材・文/長田幸康 撮影/泉田道夫
 肉牛190頭、野菜は主に4品目。農業生産法人(有)アクト農場の経営内容はシンプルだ。

「事業展開云々とか、あまり難しいことは考えたことないんですよ」 代表の関治男さんは、まずそう言って笑った。しかし、それで売上1億3000万円というのはありえない話だ。

「難しいことは考えないけど、『どうやったら面白いだろう』と考えてきました。売り先や売り方の可能性は広がった方が絶対に面白いですから、規模を拡大してきたわけです。すると、以前は縁のなかった新しい販路や展開が見えてくる。ビジネスの幅が広がるにつれて人間関係も広がり、新しいニーズをとらえるチャンスも増えます。それがさらに次の展開につながるんです」

 感覚的で行き当たりばったりという意味ではない。「面白い」を現実の経営に結びつける何かがあるはずだ。

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