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特集

「30年問題」の焦点

国が平成29年(2017年)をもってコメ生産調整の数量目標の配分を廃止する「30年問題」。その30年度までいよいよ半年を切り、コメ業界からは行く末に対する不安の声が高まっている。本特集では来年度からのコメ政策について現状わかっている点を押さえるとともに、産地や個々の経営が歩むべき方向について考える。 (コーディネーター:窪田新之助)

コメを語っているだけでは「30年問題」は解決しない

「平成30年を機に国による生産調整配分の廃止と10a当たり7,500円の直接支払いの廃止が決まったのは、いまから5年も前の第二次安倍内閣が成立した平成24年(2012年)のことである。
平成30年とは団塊世代が全て70歳代になるという時期でもあり、一気に離農が進み、コメ生産が大きく変化すると思われる。そんな大転換にもかかわらず、農業界ではやっと最近になって「平成30年問題」をどうするという話題が喧しく語られるようになった。この我が農業界の能天気さこそ問われるべきである。
さらに、国による生産調整配分の廃止によるコメの供給過剰は避けられないものと思われるが、ここに至って先物市場の本上場を先送りするという農水省あるいは農林族の暴挙まで起きている。試験上場が延長されても先物市場を利用することは不可能ではないが、こうした動きはコメ流通を健全なマーケットに依存させるというもともとの政策に逆行することである。我が国のコメ農業を破たんさせようとしているのは政治家、農業団体そして農水省そのものだというべきだ。
ここでは、生産と集荷、および革新的な卸業者にご参集いただき、語り合っていただいた。同時にコメ流通に詳しい熊野孝文氏に問題点の指摘をお願いした。
しかし、本誌が何度も指摘している通り、コメ問題はコメを語っているだけでは解決しない。畑作技術体系の導入と子実トウモロコシなどコメに代わる新たな作物に取り組むことなしに解決の術はないのである。 (昆吉則)

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