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特集

「30年問題」の焦点


千田 シカゴで先物が誕生したときも、大豆が大暴落した。先物ができる前は現物しかないから、みんなその場で売り浴びせて、さらっていく。でも先物があれば、半年後の受け渡し、9カ月後の受け渡しができる。だから本当に先物があれば、確かに価格は1回下げちゃっていいと思う。今回は官邸主導で先物本上場の本当にいい機会だったのに、なんでこういう結論になったのか。
佐藤 私は試験上場が続くだけでもいいんじゃないかと思います。
熊野 システム的には本上場も試験上場も変わらないですからね。
佐藤 30年以降に間違いなく生きてきますよ。そうなれば、絶対必要になってきますよ。
昆 今回の先延ばしは農協のメンツを保つためではないでしょうか。これまで農協は反対してきましたよね。
佐藤 そうかもしれないですね。でも売りヘッジに関しては1年限月じゃないですか。10月過ぎれば、来年の現物の価格がみえてくる。我々にとってはそれが非常に安心なわけなんです。
昆 先物に対する農家の意識は変わってきましたか。
佐藤 新潟に関してはかなり意識が上がっています。私の知り合いは3人とも29年産は昨年からもうリヘッジしています。だから彼らはもう30年産もすると思います。
昆 バカげたことが続いているけど、現実的にはわかっている農家はわかっている。
佐藤 そうですね。政府備蓄にしたってゆくゆく変更になれば、逃げ場は先物しかないはずですよ。
熊野 先物の試験上場が延長される直前、大阪堂島商品取引所には通販会社とかコンサルが会員になった。ベンダーの協会も入っています。加盟した理由を聞いたら、新潟コシを現受けして、それを通販で売るっていうんですよ。そんな使い方ができるんだと、びっくりした。
昆 最終消費者に売るから、高く売る自信があるんでしょ。
熊野 そうなんでしょうが、そういう人もいるんだと驚きましたね。
昆 通販会社が結果として市況に影響を与える要素はあるんじゃないですか。いままでだったら業務用とか外食だったけれども、昔は目立たなかった小売の通販の存在が大きくなっているわけでしょ。ということは、流通にも影響を与えるのでは。
千田 それはあると思います。精米機能を持っている会社と契約して、パッキングさせて届けるというのはあり得る話ですよね。
熊野 先物市場で現受けするのは面白い。ベンダーがなぜ会員になったかというと、東京のコメの値段を基準にして、卸と価格交渉をするため、買いヘッジする手段を手にするため。団体として会員になったからじゃないですか。

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