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【江刺の稲】
スガノ村井新体制に農機業界の支援を期待する
- 『農業経営者』編集長 農業技術通信社 代表取締役社長 昆吉則
- 第256回 2017年09月01日
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既報の通り、6月12日に開催された臨時株主総会でスガノ農機の代表取締役に村井信仁氏が選任された。同氏の代表取締役選任は、土を考える会とともに発展してきたスガノの理念を守れという全国土を考える会の会員の希望に応えることでもあった。しかし、株主総会で解任されることを見越した大森聡氏は、総会に先んじて自ら代表を退き、社員の立場で同社に居座る対応をして抵抗を続けている。また、旧役員と一体となって現在の同社を牛耳っている東京管理職ユニオンが社員をあおり、社員との対話を進めようとする村井新社長に対して会社をロックアウトして抵抗している。それでも、社員のなかには社内でのイジメを恐れて大森一派と行動を共にしているものの、土を考える会会員や筆者との電話で、現在の異常体制を悩んでいる社員も少なからずいる。大森一派のスガノ社内での支配体制は崩れつつあるようだ。
とはいえ、ユーザーからの部品の注文にも十分に対応できない状態が続いており、このままでは同社の経営破たんも起きかねない。幸いにも同社はこれまで無借金経営を続けており、財務内容が良好であるため、こうした不祥事が続いても当面は会社を維持していくことは可能だろう。
同社の混乱は、単にスガノ農機の経営問題にとどまらず、我が国農業にとっても影響を与えかねない。以下、同社の日本農業に果たしてきた意味、それも大転換を迫られている我が国の水田農業にとっての意味と、同社再建に対する私見を述べてみたい。
とはいえ、ユーザーからの部品の注文にも十分に対応できない状態が続いており、このままでは同社の経営破たんも起きかねない。幸いにも同社はこれまで無借金経営を続けており、財務内容が良好であるため、こうした不祥事が続いても当面は会社を維持していくことは可能だろう。
同社の混乱は、単にスガノ農機の経営問題にとどまらず、我が国農業にとっても影響を与えかねない。以下、同社の日本農業に果たしてきた意味、それも大転換を迫られている我が国の水田農業にとっての意味と、同社再建に対する私見を述べてみたい。
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昆吉則 コンキチノリ
『農業経営者』編集長
農業技術通信社 代表取締役社長
1949年神奈川県生まれ。1984年農業全般をテーマとする編集プロダクション「農業技術通信社」を創業。1993年『農業経営者』創刊。「農業は食べる人のためにある」という理念のもと、農産物のエンドユーザー=消費者のためになる農業技術・商品・経営の情報を発信している。2006年より内閣府規制改革会議農業専門委員。
江刺の稲
「江刺の稲」とは、用排水路に手刺しされ、そのまま育った稲。全く管理されていないこの稲が、手をかけて育てた畦の内側の稲より立派な成長を見せている。「江刺の稲」の存在は、我々に何を教えるのか。土と自然の不思議から農業と経営の可能性を考えたい。
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